こちらのページでは縦書きのスタイルシートを指定しています。表示確認は「InternetExplorer(Windows)」「Edge(Windows)」「Chrome(Android,Windows)」「Safari(iPad)」にて行っております。

パーティーチャットで行われた実際の「オンライン☆わたてにんぐ劇場」のチャットログはこちらから→ オンライン☆わたてにんぐ劇場 「帰り路の、駄菓子屋さんで。 チャットログ(残存分のみ)」

 パーティーチャットにて天使たちがセリフと地の文を使い分けて、即興劇を繰り広げてくださいました。
 今回は夏音さんとわためさんの面識があまりないことから、ひなたさんの発案で事前顔合わせのようなパーティーが開かれました。
 その際、直近の8月16日に控えている本番にて新たな形式を取り入れるとのことで、その新形式の練習の為に即興として行われたものです。
 主な観客は同盟員のナナ・ヴァールさん、わためさん。合いの手を入れつつ楽しまれていました。

 ■記載ルール■
  メイン記述者(進行者。今回は小之森夏音さん)1名が直接同盟チャットに地の文を書き、他登場人物は「」で囲む形でセリフを書くことで物語を紡いでいきます。完全に彼女たちのアドリブで構成されています。
  (「><」「ω」といった記号は縦書き時に表現できない為、削除もしくは別のもので置換しています)


☆☆☆☆☆ イントロダクション ☆☆☆☆☆

── リンドビオルサーバのとある同盟では ──
── 気ままに天使たちが舞い降りては 一遍の物語を協力して紡ぎ 人知れず飛び去っていく──
── という噂がまことしやかに囁かれています ──

こちらの記事は「エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション」内「天使が舞い降りた」同盟において
天使たちの紡いだ物語を一般公開できる形で記録に残そうと考えまとめたものとなります。(天使たちの公開許可はいただいております)

「私に天使が舞い降りた!(わたてん!)」という作品世界から、こちらの世界に飛ばされてしまった天使たち。
戻る術が見つからない日々の中、お友だちの代理露店をこなしながら元気に楽しげに生活されています。
時折、突発的に始まるリアルタイムでの「物語の編纂(即興劇)」というお遊戯は、その完成度の高さ、内容の睦まじさにより
見る人に癒しと潤いを与えてくれるものとなっており、まさに【天使】のような存在となっています。


今回のメイン記述者は「小之森夏音」さん。
主なキャストは「星野ひなた」さんでした。


私に天使が舞い降りた! 公式サイト より、プロフィール画像はこちらになります。(コンパクトにまとめました)








───────────────────────────
──     帰り路の、駄菓子屋さんで。     ──
───────────────────────────






 ■作品イメージタグ■
  #私に天使が舞い降りた! #わたてん! #小之森夏音 #星野ひなた #かのひな

 ■作品文体■
  叙情詩・口語自由詩混在型一人称小説


─────────────────────────────
──     「帰り路の、駄菓子屋さんで。」     ──
─────────────────────────────


 今日はよりちゃんのおうちでお出かけするみたいで
 いつものように一緒に帰ることはできません
 ひとりだと なんとなくさびしくて
 下校時間を迎えた教室の中を 意味もなく見まわしてしまいます

 そんな中 私の視線に気づいた子がひとり ひなたちゃん
 ひなたちゃんはランドセルを背負うと 私のところまで来てくれて

「かのんー! 一緒に帰るかー?」

 そう言って 太陽のような笑顔で八重歯を見せてくれます

「あ、でも、ノアちゃんたちが・・・」

 言ってから ノアちゃん 花ちゃんがいないことに気付きます

「二人とも今日は用事あるんだって。それで私もひとりなんだ」

 だから 一緒に帰るぞ
 ひなたちゃんはそう言って 私の腕を引いてくれます
 私を引っ張ってくれるのは よりちゃんだけだったから なんだかとても新鮮で
 私も笑顔で応えます ひなたちゃん ありがとう
 
 昇降口ではきかえて おうちを目指します
 通学路にはたくさんのお花が咲いていて しゃがみこんで一緒に眺めたりして
 いつも五人で帰る道 今は二人だけど ぜんぜんさびしくはなくて
 これもひなたちゃんのおかげだなって思っていたら
 いつのまにかひなたちゃんがいなくなっていました

「かのんー! こっちだ。寄り道するぞー!」

 声が聞こえて ほっと胸をなでおろします
 ひなたちゃんについていくと 空き地の奥の壁に小さな穴があいていて
 ネコが通る穴かな
 ひなたちゃんはランドセルを先に穴に押しこんで 自分も通り抜けて行きました

「かのんも通れるぞ! かばん先にこっちにー!」

 言われるまま ランドセルを渡して 穴にチャレンジ
 これ スカートの中見えちゃうかなぁ
 でも今は二人きり 知らんぷりしてひなたちゃんに続いていきます
 いつもと違う道 通るだけでドキドキしちゃう
 でも 手を引いてくれるひなたちゃんを 信じてついていきます

「よし。ここだ! 前にはなと見つけたんだー」

 そこは駄菓子屋さんでした
 10円 20円 5円 そのくらいのお値段のお菓子ばかり
 ひなたちゃんはお店のおばぁさんとお話していて
 両手で持てるくらいのお菓子を持って戻ってきて

「かのん、寄り道付き合ってくれてありがとな! これ、一緒に食べよう」

 ベンチにすわって ひとついただきます ありがとう ひなたちゃん
 あんずの味のするゼリーのような チューブのお菓子
 甘酸っぱくて じっくり味わうとおいしいんだなぁ
 うっとりしていたら 横でガシャガシャと音が聞こえてきて
 ひなたちゃんがガシャポンを回している音でした

「これなー。ひげろーの初期バージョンストラップなんだ」

 これひげろーなんだー 今とデザイン違うんだね

「ひなたちゃんも、ひげろー好きなの?」

 思わず聞いてしまったその言葉 ひなたちゃんは笑顔で答えてくれます

「いや、私はぜんぜん欲しくないぞ!」

 あはは そうだよね
 でも それならどうして?

 5回くらい回したころ ひなたちゃんが満面の笑みでこちらに振り返って

「よーし、とれた! はな、よろこんでくれるといいんだけど」

 ああ そうでした
 いつもみんなの中心にいるひなたちゃんは こういう子でした
 誰かの為に お友だちの為に 全力で頑張れる子
 それがひなたちゃんでした

「・・・いいなぁ。花ちゃん、きっと喜ぶと思うよ」
「お? かのんもこれ欲しいのか?」
「んん~・・・ それは花ちゃんにプレゼントしてあげて?」
「おう!」

 こんなところに駄菓子屋さんがあったこと
 いつもと違う道を通るだけで 新鮮だったこと
 そして ひなたちゃんはいつも通り かっこよくてやさしかったこと
 普段とは違って 日常から外れてみると 見えてくることもあるんだなぁ
 今日はそんなことが身にしみてよく分かりました
 誘ってくれたひなたちゃんに感謝しないと

「ひなたちゃん。今日はありがとう。また来ようね」
「おう! 私はいつでもいいぞ! 今日もありがとな!」


─────────────────────────────
──     「帰り路の、駄菓子屋さんで。」   完 ──
─────────────────────────────





close this window