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一般チャットで行われた実際の「オンライン☆わたてにんぐ劇場」のチャットログはこちらから。スクリーンショットは星野ひなたさんと暁美ほむらさんがご提供くださいましたので、チャット内容や環境設定は彼女たち基準となります。
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序章 イベント開始前、集合~会場移動時の様子
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オンライン☆わたてにんぐ劇場 「私の身近な天使さん」 本編~ご感想 チャットログ
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終章 イベント終了後、お客様含む保護者のみなさまのご歓談
今回も前回同様、同盟や血盟の枠を超えた「天使たちのお友だち」を対象とした即興劇を、人数制限のない一般チャット(白チャット)にて実施しました。
今回はメイン記述者となる小之森夏音さんから会場についてのご相談をいただきました。「夕日が綺麗に見える場所、ありませんか?」とのこと。
記憶を巡らした結果、沈黙の修道院内が良いだろうと。ただ、該当の場所はデビルスムーブメントを見破る使徒ばかりの為、非戦闘員である天使たちを含めてのイベント開催は難しいと判断しました。
その為、沈黙の修道院最奥の「光輝の部屋」の中が安全であろうと考え、「光輝の部屋のカギ」を数日かけて拾い集めほむらさんに託しました。
また今回も天使たちの裏方のやり取りとなる血盟チャットを公開していただけましたので、天使たちの微笑ましい舞台裏も含めてお楽しみください。
上記のチャットログはひなたさんとほむらさん視点の血盟チャット+一般チャット混在となっております。
一般チャットにて天使たちがセリフと地の文を使い分けて、即興劇を繰り広げてくださいました。
主な観客はエブイさん、わためさん、ハーブ・フォースさん、暁美ほむらさんでした。
■記載ルール■
メイン記述者(進行者。今回は小之森夏音さん)が直接一般チャットに地の文を書き、他登場人物は「」で囲む形でセリフを書くことで物語を紡いでいきます。今回も完全に彼女たちのアドリブで構成されています。
(「><」「ω」といった記号は縦書き時に表現できない為、削除もしくは別のもので置換しています)
☆☆☆☆☆ イントロダクション ☆☆☆☆☆
── リンドビオルサーバのとある同盟では ──
── 気ままに天使たちが舞い降りては 一遍の物語を協力して紡ぎ 人知れず飛び去っていく──
── という噂がまことしやかに囁かれています ──
こちらの記事は「エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション」内「天使が舞い降りた」同盟において
天使たちの紡いだ物語を一般公開できる形で記録に残そうと考えまとめたものとなります。(天使たちの公開許可はいただいております)
「私に天使が舞い降りた!(わたてん!)」という作品世界から、こちらの世界に飛ばされてしまった天使たち。
戻る術が見つからない日々の中、お友だちの代理露店をこなしながら元気に楽しげに生活されています。
時折、突発的に始まるリアルタイムでの「物語の編纂(即興劇)」というお遊戯は、その完成度の高さ、内容の睦まじさにより
見る人に癒しと潤いを与えてくれるものとなっており、まさに【天使】のような存在となっています。
今回のメイン記述者は「小之森夏音」さん。
主なキャストは「姫坂乃愛」さん、「星野ひなた」さん、「種村小依」さんでした。
私に天使が舞い降りた! 公式サイト
より、プロフィール画像はこちらになります。(コンパクトにまとめました)
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── 私の身近な天使さん ──
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■作品イメージタグ■
#私に天使が舞い降りた! #わたてん! #小之森夏音 #姫坂乃愛 #星野ひなた #種村小依 #かのノア #ひなノア #よりかの
■作品文体■
叙情詩・口語自由詩混在型一人称小説
■お題■
「魅了」
「支配」
「神様」
※オンラインでのわたてにんぐ劇場では、白咲花さんがメイン記述者に「3つのお題」を開始直前に出されます。
メイン記述者もしくは参加者はランダムで出されるその「お題」を地の文やセリフのどこかに取り入れてお話をリアルタイムで紡ぎます。開始直前に発表される為、事前に考えておくことができません。
事前にお題を出され、じっくり考えた場合でもランダムキーワードを取り入れて物語を紡ぐことはかなりの高等技術ですが、毎回みなさんすんなりとオンラインリアルタイムでこなされているので驚愕しております。
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── 「私の身近な天使さん」 ──
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今日は風が穏やかで でも芯から冷えるような寒さがあって
こんな日はよりちゃんと 手を繋いで歩きたいな
今は夕方の下校時間 みんなで一緒に帰ろう
でも 花ちゃんはお母さんと約束があるみたいで 先に帰ってしまって
ノアちゃん ひなたちゃん よりちゃんと 校門のところまで歩いてきたとき
よりちゃんが忘れ物に気がついて 取りに戻るって
よりちゃん ひとりで大丈夫かなぁ
私も 行った方がいいかなぁ
「かのはここで待ってて。すぐ取ってくるわ!」
「う、うん。慌てなくて大丈夫だよ? 転ばないでね」
「大丈夫よ! 転び方にもコツがあるんだから!」
そう言われちゃうと もう一緒には行けなくて
でも 転ぶことが前提になってるよりちゃんがいて
やっぱりちょっと心配だなぁ
その時 私とよりちゃんの間に ひなたちゃんが入ってくれて
「よし。じゃあ取りに行くか、こより!」
「え? ひなたちゃんも何か忘れ物したの?」
「うーん。忘れ物してないか気になってなー。だからこよりと一緒に行くぞ!」
「しかたないわね。それじゃ教室行きましょ!」
ひなたちゃんは 八重歯が見えるくらいのまぶしい笑顔で 私にウィンクをして
よりちゃんと小走りに 校舎の方へ向かって行きます
やっぱりひなたちゃん 頼りになるなぁ
私が不安そうにしていたこと 見逃さなかったみたいです
ありがとう ひなたちゃん
「・・・ヒナタちゃん、行っちゃった・・・」
ノアちゃんは ひなたちゃんの背中を目で追いかけていて
二人が昇降口に入って見えなくなると
軽くうつむいて 夕陽の射す方へ向き直りました
その時のノアちゃんは まるで天使のようで────
ひなたちゃんのことを想って うるんでいたその紺碧の瞳は
まぶしい夕焼けで細められて
その天使のまなざしは 遠く彼方 群青色の成層圏まで届くようで
まるで映画のワンシーンのように 神々しいノアちゃん
でも
そんなノアちゃんが なんだかとても遠くの存在のように感じられて
今のみんなとの日常が ぐらりと覆ってしまうような
胸がキュッとするような 不思議な気持ちになってしまって
キャラメル色の夕暮れに染まった ノアちゃんの綺麗な髪が 純白に輝いていて
なんだかそのまま 天使としてお空に溶け込んで
消えてしまうんじゃないかと思えて
私は 声をかけずにはいられませんでした
「ノ・・・、ノアちゃん、って・・・」
「・・・カノンちゃん?」
「やっぱり、大人っぽくて、綺麗だね」
「えっ!? カワイイじゃなくて、キレイ!?」
「うん。とっても」
恋をすると とってもキレイになれるのよ
よりちゃんが言っていた その言葉が
今は本当にそうなんだなぁって ストンと納得しちゃいます
「え? どこどこ? どのあたりがキレイ? ねぇねぇカノンちゃん☆」
「あ・・・ えっと、その・・・」
さっきまでの その場のすべてがノアちゃんの為にあるような
空気すら完全に支配するような 絶対的な感覚はなくなって
いつものかわいいノアちゃんが そこにいました
私はほっとして 胸を押さえながらノアちゃんに伝えます
「────うん。ノアちゃんの、全部が。本当に天使みたい」
「でっしょー! えーでもホントにー? カノンちゃんホメすぎでしょー☆」
「ううん。そんなことないよ?」
天使は天の使い 神様のおつかいをする為に 地上に遣わされる存在
物語によって目的は違うけど 人にはない力を持っていることが多くて
さっきのノアちゃんは すべての人の目線を惹きつけるアイドルのような力を
そう 【魅了】の力を持って舞い降りてきた天使のようでした
「たーだいまー!」
「おかえりー、ヒナタちゃん☆」
「すまん、のあとかのん! 寒いとこ待たせて」
「ううん、平気だよー。カノンちゃんと一緒だったしネ☆」
うるんでいた瞳が ぱぁっと明るくなって
ひなたちゃんのほうに自然と目が向くノアちゃん
よかった いつも通りのノアちゃんに戻ってくれて
女の子はみんな 自分の内に不思議な力を秘めているのかも
ノアちゃんは天使のようで ひなたちゃんは太陽のようで
よりちゃんは空を目指す高い山のようで
私は なんだろう 自分だと分からないなぁ
「ま、待たせた、わね・・・ はあっ はぁ・・・」
「よりちゃんおかえりー。大丈夫?」
「だ、大丈夫よ。転ばなかった、から・・・ はぁ はぁ・・・」
「・・・なんでそんなに息切れしてるの?」
「廊下は走れないから、昇降口からここまでダッシュしてきた!」
「そっか・・・。コヨリちゃん、頑張ったねぇ・・・」
私はよりちゃんの隣に立って そっとよりちゃんの背中をさすります
寒い中 そんなに荒く息をしたら 胸が痛くなっちゃうよ
ほら ゆっくり ゆっくり ね
「はぁ~・・・ かの、ありがと!」
「ううん。あんまり無理しないでねー」
「よし。じゃあ、帰るかー!」
「うんうん。一緒に帰ろう☆」
ひなたちゃんとノアちゃんが 手を繋いで歩きだします
私もよりちゃんの手を取って 並んで歩きます
ノアちゃんたちの真似をして 指と指を絡めるような繋ぎ方で
「・・・よりちゃん。恋をすると綺麗になるって、本当なんだね」
「かの?」
「私もあんなふうに、ノアちゃんみたいになれたらいいなぁ」
よりちゃんはきょとんとしているけど 今はまだそれでもいいかなぁ
ノアちゃんみたいに 恋をして綺麗な大人になりたいな
そんなことを想いながら よりちゃんを見つめてみると
よりちゃんも私のことをじっと見つめて ほんの少しだけ頬を赤くしていて
夕日の色に染まっているようにも見えるけど 私には分かるの
よりちゃん ちょっとだけ照れてるみたい ふふ
「かの」
「よりちゃん?」
前を行く二人に気づかれないくらい 小さな声で私を呼ぶと
ちょっとだけ歩くのがゆっくりになるよりちゃん どうしたんだろう
「かのは、他の誰でもなく、かのよ」
「・・・よりちゃん?」
「だから、かのはそのままでいてちょうだい」
「そっかぁ・・・」
私だって もっと綺麗になりたいんだけどな
もっと綺麗になって 素敵な大人に────────
「かのはいつだって、「今」がいちばんキレイでかわいくて、素敵なんだから」
「・・・っ! より、ちゃん・・・!」
よりちゃんのひとことで 胸がいっぱいになって
思わず抱き締めてしまいそうになって
でも 実際には繋ぐ手の力を ちょっと強めただけにして
それでもよりちゃんには伝わったみたい 恥ずかしそうにはにかむよりちゃん
本当 かわいいなぁ ふふ
「きょ、今日はただで帰れると思わないことね!」
「よりちゃん、それ意味違うよ?」
「い、いいから! ほら、遅れちゃうから行くわよ!」
「よ、よりちゃーん。待って~」
よりちゃんに引っ張られながら 駆け足で二人のところに向かいます
天使と太陽に追いついた私たちは 二人の笑顔で迎えられて おうちへ帰ります
気づいていなかっただけで 身近にすごい人がいっぱいいて
私もそんなみんなと 一緒に歩いていきたいな
冬の日 夕暮れ時の なんでもない下校の風景
見慣れた光景の中にも 宝石のようなきらめきがいっぱいあるんだなぁ
赤い顔で私を引っ張るよりちゃん 今日も頼りになるなぁ
ひなたちゃんとノアちゃんも 幸せそうに歩いていて
うん いつも通り 素敵なお友だちです
みんないつもありがとう これからもずっと一緒にいようね
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── 「私の身近な天使さん」 完 ──
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