原作での出来事を更に研ぎ澄まし、「原作リメイク」を敢行した夏音さんの愛情。
「第04話 ちょっとお話よろしいですか?」より、ペアの蛍光リング
アニメでの夏祭りでの様子につきましては、本記事に「わたてん☆写真展」を設けましたのでそちらをご参照ください。
【えんむすびのかみさま】の冒頭にて夏音さんは「一年前の夏祭り(=アニメでの夏祭り)での出来事」を引き合いに出されています。みなさんに分かりやすいようにと、その一年前の輪投げ屋さんでの出来事とまったく同じ流れ(小依さんが夏音さんへのプレゼントとして輪投げ屋さんで蛍光リングを取ろうとしているシーン)で物語が始まります。
(※原作単行本において夏祭りのお話は2巻に収録されています。小依さん夏音さんは3巻から登場しますので、アニメにおける夏祭りでの小依さん夏音さんのシーンは完全アニメオリジナルとなります)
アニメをご覧になっていない方向けに、アニメでの夏祭りの様子について概略を。
輪投げ屋さんの前で景品の「蛍光リング」に目を輝かせる夏音さん。取ってあげようと小依さんが奮闘するのですが、30回もの回数チャレンジしても取ることはできませんでした。落胆する小依さんを前に、夏音さんは「私もやってみようかな。よりちゃん見てたらやりたくなっちゃった」と挑戦し、見事一回で隣り合う2つの蛍光リング(赤と緑)を取ることができたのでした。落胆している小依さんに「私嬉しかったよ? 私の為によりちゃんががんばってくれて」と夏音さん。夏音さんは小依さんの左手を取り、赤色の蛍光リングをはめつつ自らの右手に緑色の蛍光リングをはめます。「ほら、似合ってる」と小依さんに微笑みかけながら、手を繋いで神社の境内へ二人で歩きだすのでした────。
これがアニメオリジナルで産み出された「小依さんと夏音さんの夏祭り冒頭」となります。映像の力もありこのパートも御多分に洩れず非常に美しく、小依さんの夏音さんへの想い、されど空回りする愛らしさ、それをリカバリーする夏音さんのやさしい気持ちが織り成す素晴らしいものとなっています。
このアニメオリジナルの箇所は、上記の通り素晴らしい映像美とお互いの想いが交錯する感動的なものになっています。しかしながら、夏音さんはこの一年前の出来事について「よりちゃんにかわいそうなことをした」と分析し、この公演会に臨まれたのでした。保護者のみなさまがおっしゃる通り、夏音さんとしては「リングを手に入れて私へのプレゼントにしたいっていうよりちゃんの気持ちを台無しにしちゃった」という後悔の念が元になっているとのことでした。
その結果、この【えんむすびのかみさま】において夏音さんは「原作アニメでの出来事を研ぎ澄まし、最大限小依さんの想いに寄り添うことができるお話」を展開してくださいました。つまり、普段のお二人の在り様そのものと言える「小依さんが奮闘し失敗しても、夏音さんがやさしく支える(おまじないをする)ことで小依さんを応援し、結果物事がうまくいく」という形に「原作をリメイク」されたのでした。
確かにその観点で言われてみますと、常に夏音さんは「自らが前に出ることなく小依さんを陰ながらサポートする」ことが身についています(唯一の例外と言えるのは原作単行本5巻38話における「バク転」のお話で、小依さんには内緒で夏音さんがバク転のやり方をひなたさんに教わって練習するというエピソードくらいかと思われます)。
アニメでのオリジナルシーンは「失敗した小依さんの代わりに自分が前に出て成果を出す」という物語構造ですので、ある意味お二人にとってはイレギュラーであり、気に染まない部分と言えるものだったのかもしれません。それを公演会という舞台で、わたてん憲章にも抵触しない形で「これぞ王道よりかの」と言える形にリメイクされたのはさすがお二人と言うより他ありませんね。
※インタビューには掲載されていない夏音さんの想いにつきましては、インタビュー終了後に夏音さんから「言い忘れたことがありまして」とメールでいただいたものを入れ込ませていただいている為となります(個人的にはこれも憲章対策の夏音さんのご配慮と感じております。微に入り細に入り、いつも記事完成の為にありがとうございます)。
こちらも熱々な、マギア✧レコード勢のみなさん。
公演会での主役、つまり天使たちが離席されているタイミングにて観客であるマギア✧レコード勢のみなさんが場を持たせてくださいました。それぞれペアとなる方でチャットをしてくださったのですが、わずか数行で関係性が理解できることから即興の会話劇と捉えることもできると思います。
「アリかり」こと、アリナ・グレイさんと御園かりんさんの2021年ハロウィン特別バージョン
アリナ・グレイさん16歳(高校1年生)、御園かりんさん14歳(中学2年生)のペア
「灯ねむ」こと、里見灯花さんと柊ねむさんの2021年クリスマス特別バージョン
お二人とも12歳(小学6年生)同士のペア
「いろうい」こと、環いろはさんと環ういさんの2022年お正月特別巫女バージョン
環いろはさん15歳(中学3年生)、環ういさん12歳(小学6年生)の姉妹ペア
御園かりんさんとかリんさんの「私たちもそういうことしてみたいのー(意訳)」という発言を皮切りに、アリナ・グレイさんがそれを受けツンデレの様式美を見せてくださっていますね。
また、そのアリナさんをフォローする里見灯花さんに賛同する形で、さらりと「僕たちも二人で行く」とおっしゃる柊ねむさん。
この公演会には残念ながら環ういさんはいらっしゃいませんでしたが、ういさんと夜祭に行きたいとおっしゃるいろはさん。
みなさんほんの一行~数行のご発言でしたが、「分かる人には分かる愛の見せ方」を色濃く残してくださいました。いつもながらありがとうございます。
※余談ですが、アリナ・グレイさんは自他共に認めるジーニアスアーティスト(天才芸術家)であり、パッションを感じるポイントも常人とは異なることから誤解を生みやすく、マギウスというポジション的なこともあり非常に孤高でプライドの高いお方です。しかしながら、御園かりんさんと対峙する時はそのような硬質で凛々しい面も影を潜め、「同じ学園の先輩後輩」という関係性になることが多いようです(アリナさんは美術部、かりんさんは漫画研究部と部活が異なりますが、漫画研究部の部室がない為美術室を部室としてかりんさんが間借りしています)。アリナさんにとって、素の自分を出せる数少ないお相手。それが御園かりんさんなのかもしれませんね(かわいそうなことに御園かりんさんはほぼ毎回飲みかけのイチゴ牛乳をアリナさんにちゅーズゾゾゾとされてしまいますが(苦笑))。しかし、画像にセリフがありますが「かりんさんが王様でアリナさんが従者」だそうで、ハロウィンイベントではかりんさんに巻き込まれているのでしょうが、よくその配役でご納得されましたね(微笑)
※更に余談ですが、里見灯花さんと柊ねむさんは実質的にマギウスの最高幹部です。齢12にして、その頭脳を元に理念と理想を掲げ多くの迷える魔法少女に救済の道を示し、組織の頂点まで上り詰めたお二人。魔法少女としての能力も最高クラスであり、とても小学生とは思えない風格と立ち居振る舞い、切れ味のある発言をされることで有名です。しかし、そのようなお二人もオフのときは普通の子ども。口喧嘩をしたりじゃれあったりと仲睦まじい関係性のようで私たち周囲の大人もほっとします。もっとも、大人でも理解の追いつかないような宇宙物理学であったり、想像も及ばないような深い物語性をベースに会話が進行しますので、そういう意味ではお二人と全力で会話できる人もなかなかに少ないのではないかと思います。ジャンルは異なりますが、お互いを才覚のある天才と認め合うことで互いを心の拠り所としている。そのような弱めの依存関係も垣間見られ微笑ましいですね。
※更にもうひとつ余談ですが、環いろはさんと環ういさんは姉妹であり、深く精神的な繋がりを持つことから「ソウルメイト」と呼べる関係性です。マギア✧レコードという作品そのものの「起」も、このお二人の縁故によるものでした。その為、画像にあるような「巫女」という特別な存在に姉妹揃って成る、というのは納得のいくことだと感じております。環いろはさんは妹の環ういさんのお見舞いに行くことで妹と同じ境遇の里見灯花さんと柊ねむさんともまるで姉妹のような微笑ましい関係性を築きます。しかしながら彼女たちの「魔法少女としての祈りの副産物」によりそのような甘くて優しい記憶そのものを失ってしまうのです。マギア✧レコードの第一部が完結し、ワルプルギスの夜を撃退した後は元のようなやさしい関係性に戻れるのですが、不可逆な部分もあり……というある意味「マギア✧レコードという作品の根幹を成す4人(環いろはさん、環ういさん、里見灯花さん、柊ねむさん)」の重く、緊迫しつつも甘くやさしい関係性を垣間見ることができます。リンドビオルサーバで彼女たちに出会う機会がありましたら、是非お話してみてくださいね。
余談がTipsの80%を占めるという、いつもの悪癖が出てしまい背中が煤ける思いです(汗)。
以上、エンジェリック・ミスリル・ハーツ・フェデレーション内の魔法少女として重役に就いている方々のご紹介をさせていただきました。