ひなたさんの乃愛さんに対する「愛の見せ方」
ここでの夏音さんとひなたさんの会話では、「みゃー姉至上主義」から脱却し成長したひなたさんの姿を感じ取ることができます。
「みゃー姉も持ってるんだけどな」
「でも、なんでかな。のあのことだったからかな」
「みゃー姉には頼れないって思っちゃったんだ」
推測ですが、ひなたさんとしては以下のような思いがあったのではないかと。
・みゃー姉から絆創膏を受け取ると、きっと嬉しくてみゃー姉に飛び着いちゃう。のあが悲しむからそれは見せられないな。
・のあは私を好きだって言ってくれた。そののあを助けるのにみゃー姉に頼ってたらダメだ。私の力(※)でのあを助けないと。
※ここでの「私の力」とは「ひなたさんが自力で築いたお友だち関係」を含みます。つまり、自分のお友だちである夏音さんに助けを求めることも含みます。
これまでの公演会を通して、通奏低音のように一貫してきた「乃愛さんへの思いやり」がここでも垣間見られます。ひなたさんは「なんでかな」とおっしゃっていますが、明文化をされないだけでそのご自身の行動原理はすべて「乃愛さんをいたわる為/悲しませない為/笑顔になってもらう為」であると言えるでしょう。
ひなたさんが乃愛さんの為に「みゃー姉至上主義」から脱却した。
そのこと自体が、ひなたさんにとっては乃愛さんに対する最大限の「愛の見せ方」だったのでしょうね。
怒涛の「そうなの?」から窺えるみなさんの共通認識と、こちらの世界における「ひなたさんの寝相問題」
乃愛さんの「そんなに思ってるほど抱きついたり抱きつかれたりはしてないんだよー?」というご発言に対するみなさんの反応が微笑ましかった為、コラムにしてしまいました。
絵笛さん :そうなの?コブラツイストくらいしているのかと
白咲花さん :そうなの?
種村小依さん :そうなの?
小之森夏音さん:そうなんだー^^
星野ひなたさん:そうなのか
ひなたさんまで……! と思える並びで抽出してしまいましたが、ひなたさんの「そうなのか」については直前の乃愛さんのご発言「あんまりべったりだと、ヒナタちゃん動いた時に避けられないからキケン」にかかっているものかと思います。
ともあれ、みなさんの共通認識として「ひなたさんと乃愛さんは常に仲睦まじく寄り添いながら寝ている」と想像していることが分かります。
しかしながら、現実は非情なものです。「乃愛さんとひなたさんの寝相」というテーマについては、それこそ二人の間に立ち塞がる(物理的な)最大の障壁との呼び声が高く、原作の乃愛さんは何度もチャレンジしては華麗に散る(ひなたさんに締め落とされて意識を失う)ということを繰り返しています。その為、乃愛さんにとって「ヒナタちゃんと朝まで一緒に寝る」ということは悲願であり「夢」であると折に触れて語られています。
原作3巻146ページ(29話) タイトル「抱き締める」
原作3巻147ページ(29話) タイトル「落ちた」
原作3巻155ページ ひとコマ漫画
「第9話 私が寝るまでいてくださいね」より、ホラー映画観賞後のお泊まり会
(上記原作3巻の一連のアニメ化のシーン)
原作8巻86ページ(66話) タイトル「姫坂乃愛の挑戦」
「体を休める時は静かに寝ている」というみやこさんの情報から、乃愛さんと花さんが協力し「夜にぐっすり眠れるようひなたさんを限界まで疲れさせる作戦」を実行し、見事疲れさせることには成功するのですが……。
原作8巻98ページ(66話)
原作8巻99ページ(66話) ひとコマ漫画
原作9巻116~118ページ(76話)
ご覧の通り、「ひなたさんの寝相に苦戦する乃愛さん」は原作漫画およびアニメにてかなり印象深いシーンとして描かれていますね。ラストの3ページ分はひなたさんの無自覚ハンサムガールの印象が強いですが、その前の乃愛さんの「一緒に寝る夢叶っちゃったかも」と密かに喜ぶ控えめな乙女心も愛らしいシーンと言えます。
こちらのチャットでの乃愛さんはこれらの原作における苦労について匂わせており、二人を深く知る人であればこの「寝相」についての話題を乃愛さんが持ち出すということ自体に涙を禁じえないと思います。それこそ、お二人がこちらの世界にいらした最初の頃からの課題としてこの「ひなたさんの寝相問題」は取り上げられており、よく同盟チャットにおいて「どのような形が解決法としてベストか」について意見が交わされていました。
結果として、こちらのお二人が辿りついた解は「ひなたさんと添い寝をし、締め技の場合は木の葉のようにするりと抜け、手や足が飛んできた場合は水の如く受け流すことをひなたさんとシンクロしたタイミングで阿吽の呼吸で寝ながらにして行う」という、ひとことで言うならば「睡拳」のような境地に達したとのこと。ぴったりくっつくのではなく、拳ひとつ分程度の空隙を常時確保しておくのがポイントとのことです。齢11にして乃愛さんはブロキーナ老師のような体術を会得されたことになります。愛のなせる技ですね(微笑)
その後────。
更なる進化系として、こちらの乃愛さんが覚醒し「熾天使」にランクアップされた頃からは、上記のような「武」や「技巧」に頼るのではなく、まさに愛を持ってこれを制すという方法に昇華されました。詳細な方法については自著「熾天使になるために」のあとがきで触れておりますので、ご興味のある方はそちらをご参照ください。
天使たちが私の考案した方法を取り入れてくださるのは非常にファン冥利に尽きます。ありがたいことです。
「はな姉禁止で」の誕生の瞬間。
以降の公演会において、度々耳にするこちらの「はな姉禁止で」という花さんのセリフ。こちらは普段のひなたさんの呼称ルールである「自分より目上の方には[お名前の前半部分]+[性別により兄か姉をつける]」というものに則った呼び方となります。「みゃー姉」がベースになっているものと思われますが、この呼称方法は原作およびアニメでは見られないものですので、こちらの世界のひなたさんオリジナルの親しみを込めた呼称ルールと考えられます。「みんなの妹だぞ!」という、一種のファンサービスの類の意思表示であろうと個人的には捉えております。
さて、ここで「はな姉」と呼ばれた花さんは、即座に「はな姉禁止で」と切り返しています。よくよく上記の呼称ルールと照らし合わせて鑑みますと、ひなたさんと花さんは同い年ですので「自分より目上(年上)の方」というポイントに合致しない呼称となります。花さんは盟主という重役に就いていますが、それを称えてのことでもないように思えます。
ここでのひなたさんの想いはいくつか考えられますが、単純に眠くて言い間違えた訳ではなさそうですね。つまり、ここでは絵笛さんがおっしゃっている通り
公演会の内容を勘案すると、みやこさんと花さんは「相思相愛」となったと捉えることができることから、将来的に花さんは「自分の義理の姉になる人」という意識が芽生え、一足先に「はな姉」と呼びかけた。
のであろうと推測できます。ひなたさんなりの花さんへの「祝福の言葉」なのでしょうね。
一方の言われた側の花さん。上記のひなたさんの想い(相思相愛だな。おめでとうな! みゃー姉のことよろしくな!)を瞬時に理解し、恥ずかしさからそっけなく「はな姉禁止で」と釘を刺したのでしょう。ここでの花さんが眉を顰めつつも淡く頬を染めていることを想像できた方は、マエストロ級のわたてんマスターと言えるでしょう(微笑)
なお、こちらの「はな姉禁止で」が公演会の締めの一言となっている回があるのですが、それはまた別のお話────。
コラボ先のルールに則った作品名称 および 「わたてんの鳴き声」について
インタビュー内のコラムにて、「ひぐらしのなく頃に」という作品は「出題編」と「解答編」に分かれていると解説させていただきました。4つずつの作品が対になる形となっており、以下のように対応できます。
出題編 → 解答編
鬼隠し編 → 目明し編
綿流し編 → 罪滅し編
祟殺し編 → 皆殺し編
暇潰し編 → 祭囃し編
※他にも「賽殺し編」「昼壊し編」「罰恋し編」「神姦し(かみかしまし)編」などがあります。
すべてが「○○し編」という形となっていますね。今回のコラボ作品では「貶者編」とひらがなはないのですが、そこはご愛嬌ということで。
コラムタイトルに「ルールに則った」と記載しましたが、まずは今回の公演会でのタイトルについて軽く説明を。
「貶者編」というタイトルについては花さんが「タイトルの「貶者編」って、そのまんま「落し物編」ってことなのであんまり深い意味はなかったです」とおっしゃっています。
「落し」を「貶」に、「物」を「者」ともじることで、漢字の持つ強いインパクトから原作へのリスペクトを感じることができる秀逸なタイトルであると思います。
そして、実は原作にも似たように「別のものをもじって漢字を含むタイトルにした」作品が存在します。それが「昼壊し編」です。
黄昏フロンティアの3D対戦アクションゲーム『ひぐらしデイブレイク』の世界観を用いたエピソードとなっており、デイ(昼)ブレイク(壊し)ともじることでそれまでのタイトルとの統一性を失うことなく異質な世界観を取り込むことに成功しています。
今回の花さんの命名した「貶者編」も、原作の「昼壊し編」と似たようなもじり方をしたのですねと、どちらの作品にも触れたことのある私個人としては非常に微笑ましいポイントでしたのでコラム化してみました。
なお、下方には「わたてんの鳴き声」についての考察がありますね。「もぎゃー」と鳴くのかはともかくとして、乃愛さんがおっしゃる通りひなたさんの「みゃーねー!」はわたてん!という作品を象徴する呼称であろうと思います。
以下の動画の製作者は私ではございませんが、キャラクター同士での呼称についてまとめた動画となります。非常に厳密な分類がなされていますので、視聴者としては頭の下がる思いですが、やはりと言いますか作中で最も多く呼ばれていたのは「ひなたさん→みやこさん」の「みゃーねー!」という結論が出されていました。
キャプション部分を辿ることで第1話から第12話まですべての呼称シーンを確認できますので、アニメにおける愛らしい呼び声に癒されたい方はどうぞご覧になってみてください。
※動画の「vもっと見る」ボタンから「ニコニコ動画で視聴する>」を選択しますと、ニコニコ動画のサイトで参照することができます。製作者様のキャプションはそちらでご確認ください。