ミスリルの守護神(みすりるのしゅごしん………ミカちゃん):ドミネーター
DOSANの妻、という人。クリスマス番外編 きよし、この夜。
昨年(2009年)のクリスマスに、ミスリル隊員および撮影にご協力いただきました方へと
限定公開した番外編となります。今回はミスリル・リンクの隊員だけでなく、
外部血盟の方にも撮影にご協力いただきました。
今回も多くの方にご協力いただきまして、誠に嬉しく思います。みなさんのおかげで
完成にまで漕ぎ着けることができました。感謝いたします。
なお、本作には【ミスリルを冠する者】と呼ばれる5人のミスリル・リンク隊員が登場します。
分かりにくいというお言葉をいただくことが多いので、ここで彼らについて簡単に紹介しておきます。
■ ミスリルを冠する者 ■
ミスリルの救世主(みすりるのきゅうせいしゅ…ミキちゃん):ビショップ
ミスリルの空騎士(みすりるのくうきし…………ミクちゃん):ソウルブレーカー
ミスリルの賢者 (みすりるのけんじゃ…………ミケちゃん):エルダー
ミスリルの光刃 (みすりるのこうじん…………ミコちゃん):アビスウォーカー
2009年のファンフィクションは「ミスリルの賢者」さんについての物語でしたが、
彼と同じようにそれぞれが本来の名を捨てて生きることを余儀なくされた方々です。
それぞれが今の名を娘より命名され、ミスリル・リンクへと入隊しました。
今回のクリスマス番外編は、上記のうち「ミスリルの救世主(ミキさん)」と「ミスリルの光刃(ミコさん)」
がメインとなりますので、以下に2人の簡単な紹介を記載しておきます。
<ミスリルの救世主>
通称ミキちゃん。
彼女はビショップであり、ミスリルを冠する者の中では賢者と同等かそれ以上の回復力を誇る。
「あたしがいるPTじゃ、死人は出さないよw」
が口ぐせであり、少し勝気で高飛車な面を持つ姉御肌な女性。
年齢は26歳。ミスリルの光刃とは犬猿の仲であるかのように振舞っているが、
単なる照れ隠しであることは周知の事実となっている。それでも押し通そうとするのは
歯止めが利かなくなることを恐れているのか、元来のツンデレ気質がそうさせるのかの
どちらかであろうと噂されている。
本作ではいつも勝気な彼女の内面を掘り下げており、ある意味彼女のルーツとも言える
出来事にフォーカスしている。(若干の鬱展開の為注意)
<ミスリルの光刃>
通称ミコちゃん。
彼はアビスウォーカーであり、誇り高きダークエルフ族の戦士。
歯に衣着せぬ物言いをする為、口が悪いと思われがちだが本人に他意はなく、
人付き合いの上で誤解されることが多い。
年齢はヒューマン換算で28歳。過去に起こした事件(親友の殺害・それに伴う自殺未遂)を
未だに引きずっており、それが唯一のウィークポイントと言っても過言ではない。
そこを娘とミキちゃんに突かれ、深く反省したことがある。
(2009年度のバレンタインデー・ホワイトデー番外編を参照)
本作では娘と出会った時のことに少しだけ触れられており、普段は見せない彼の不安定な面や
娘の意外な一面に触れることができる。
また、彼は本作にてミキちゃんに対する見方・想いが一変することになる。
人が誰かを想うことの純粋な強さ。
その凄さの一端を、彼が垣間見させてくれる。
前置きが長くなりまして恐縮です。
それでは、以下に2009年度のクリスマス番外編を掲載いたします。
全17ページとなり、かなりボリュームがありますのでお時間のあるときにお読みください。
■ あとがき ■
この物語を紡ぐ者 DOSAN
DOSANです。
「罪の意識を乗り越えるには、赦しと愛が必要である」
この思いを、製作中はずっと念頭においておりました。愛に裏打ちされた赦しとでも言いましょうか。これはミキさんのご両親により表現してみました。
そして、ミコさんのミキさんに対する強く熱い想いが、ご両親との再会を実現させました。
親の子への愛情と、護るべき(救うべき)存在への想い。
それぞれ異なる性質を持ちますが、今回の物語ではどちらが欠けても成り立たない重要な要素となりました。
冒頭のサバイバーズ・ギルトですが、よくPTSDと共に精神医学用語として登場することがあります。この言葉がフォーカスされたのは2005年に発生した「JR福知山線脱線事故」が記憶に新しいと思います。事故の生存者が抱く言い知れぬ不安と罪悪感。現実にこの状況に陥ってしまうと、治癒させるには時間経過による自然治癒か精神科医による正統な治療を受けるしかありません。何故なら、「直接的に許しを請うことができる存在」は故人になっている場合が多いからです。
今回の物語では現実には起こり得ないと理解した上で「故人からの赦し」を直接的に描いています。現実にこのサバイバーズ・ギルトおよびPTSDを経験された(している)方には、あまりにも簡単な赦しと癒しが得られる物語展開にお怒りになるかもしれませんが、ビショップという「人の命を司る聖職者」であるミキさんが巻き込まれた事件とその顛末を描くことで、彼女の内面の成長を描いておきたかったのです。
補足ですが、ミコさんによる「召喚魔法」のベースとなっているのは「アルティザンの魂」というクエストです。リネージュ2の設定上、死が身近なものであるダークエルフ専用のクエストで、故人の想いを確認する為のものだったと記憶しています。
その一方で、彼女の重い過去を断ち切る役割を担ったミコさん自身は引き続き罪を背負って生きようとしています。彼は彼なりに自分の過去を整理しておりミキさんのような発作が起きることはありませんが、「どうすれば自分が赦されたことになるのか。また、そもそも赦されていいのか」という点について考えていない節があります。いや、それを考えてはいけないと自らセーブしているようにも見えます。
簡単に自らを赦せないミコさんですが、今回のことでミキさんとの関係が変わったことだけは自覚しているようです。それにより、今後の彼の往く道が良い方へと向くことを祈るばかりです。
今回も長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
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