DOSANの妻、という人。番外編 円環の果ての、終着点。



今年のホワイトデーの番外編は、バレンタインの対になるお話として

ノーブル家のノーブルノワールさんと、鹿目まどかさん、そしてアカデミーに

入っていただきました暁美ほむらさんに出演していただいております。


バレンタインデーにまどかさんが贈ったチョコ。果たして届いたのでしょうか…。




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彼女は託された世界で日々戦い続けてきました。
もうループする理由のなくなった彼女は盾を置き、
形見のリボンと弓を手に戦い続けてきました。

そこはあの子が守ろうとした世界。
しかし、もうその子はいない世界でした。

力を使い果たして消え去るその時に、もう一度逢える。あの子が迎えに来てくれる。
それだけを唯一の希望としていた彼女でしたが、やはり「生きているうちに逢いたい」
という気持ちが大きくなり、気づけばあの子のいるであろう「こちら側の世界」に降り立っていました。





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突如として大気がピンクに染まり、彼女を目掛けて恐ろしい速度で何かが接近してきます。
彼女もすぐに気付きましたが、あまりにも速いそのスピードに反応が一歩遅れ…
時間操作を行なう為に小盾に触れる間もありませんでした。





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彼女のピンチに、颯爽と登場したのがヘル重装備に身を包んだシーゲルナイトらしき人物でした。
ファイナルアルティメットディフェンスは30秒間効果が持続し、300以上のダメージは無効化
するスキルですが、その仕様すら覆し大ダメージを受けている様子。
その恐ろしい高エネルギー体に、彼女も足がすくんで動けなくなっています。
このままでは二人とも危険な状態に…。
そこに響いたのが、対象を完全に無敵にする【セレスチャルシールド】の詠唱でした。





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「今よ、光刃!」「任せろ」
そう。現れたのは【ミスリルを冠する者】であるミキさんとミコさんペアでした。
娘からの指令によりまどかさんを探して世界を周っていましたが、思わぬところで人命救助をすることになったようです。
幼女とはまた随分な言い方ですが、ともあれ危険地帯から少女を移動させることに成功。
残るは謎の高エネルギー体ですが…。





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「ノブ」ことノーブルノワールさんが盾を傾けて高エネルギー体を受け流し…
着地点にてまるでスーパーノヴァのような大爆発が。
私も誰もいないことを祈ります。





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さりげなくノーブルさんが装備していた盾は、シュチュッツガルトにて引きこもっていたコタツの天板でした。
彼女は妹のマリーさんの思いを受けコタツから出ましたが、まどかさん捜索中も割り切れない思いを
引きずっていたようでいつでも篭れるように盾として装備していたようです。
謎の少女を助ける為に天板は割れてしまいましたが、それにより吹っ切ることができたようですね。

爆心地にはハートの矢と箱、そしてお手紙が落ちていました。
それはまどかさんが「最高の友達」に向けて贈ったもの。
それが黒服の少女に向かって飛んできたということは…。





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そう。彼女は時間操作能力をもつ魔法少女、暁美ほむらさんその人でした。
早速「ほむほむ」と呼ばれていますが、まどかさんと並んで有名な方ですよね。

ほむらさんは三人からまどかさんのお名前が出たことで、彼らをまどかさんに近い人と認識しました。
実際に会えるかもしれない。そう期待が膨らみますが…。
いざ会えるとなると、こちらに来てしまったという負い目から、急に尻込みしてしまうのです。
ミキさんはそんなほむらさんの胸中を察知したようで、今この場でアデンまで共に行くことを「保留」しました。
まどかさんがいつもギランで露店しているという情報だけ伝え、その場を後にするのです。





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荒地での出来事から一ヶ月が経過し、世間ではホワイトデーと呼ばれる日になりました。
ミキさんミコさん、そしてノーブルさんとマリーさんはそれぞれの素敵な時間を過ごしていることでしょう。


一方の暁美ほむらさん。一ヶ月をかけて悩みに悩みましたが、彼女が下した決断は
「直接逢って、想いをすべて打ち明けること」
でした。
傍から見れば簡単な結論のようにも思えますが、この結論に至るまでの苦悩は想像を絶するものがあったでしょう。
「あなたは希望を叶えるんじゃない。あなた自身が【希望】となるのよ」と、かつての先輩に言わしめた鹿目まどかさん。
その彼女を目の前にして、ほむらさんは自らの思いを吐露するのでした。





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それは、彼女の本当の気持ちの告白。
想いをぶつけて、呆れられてもいい。蔑まれても構わない。
「もう一度逢えるから」とは言われていたものの、その「もう一度」は人生の最後の瞬間だなんて。
そんなのイヤだ…!

彼女は涙ながらに想いを吐露しました。そして、それをすべて受け止めてくれたのは他でもない
鹿目まどかさんでした。彼女の想いを汲み、赦し、共に歩もうと促すのです。


今に続くギランでのまどか&ほむらペアによる露店は、こうして始まりを告げたのでした。
運命に翻弄された魔法少女たちに、アインハザードの祝福があらんことを…。









■ あとがき ■

DOSANです。

今回も非常に時間がかかりましたが… どうにか収束させることができました。
それでは、今回の物語においてポイントとなる箇所をいくつか挙げてみますね。

■円環の果ての、終着点。というタイトルについて。
これは最後までお読みいただけるとお分かりのように、原作にて幾度となくループを繰り返してきたほむらさんが最後に行きついた場所… すなわち、鹿目まどかさんのいる場所のことを指しています。一部の人には有名となったギランでの「まどほむ露店」の誕生秘話という意味合いも込めています。このような想いと事情とエピソードがあり、ほむらさんはこちらの世界に来たわけですね。

■ピンク色の謎の高エネルギー体について。
前作のバレンタインデー番外編において、まどかさんは2回の矢を放っています。1つ目は暁美ほむらさんがいる場所へのルートを開く為の「接続(CONNECT)」の魔法。2つ目は実際にチョコレートを結びつけたただのハートショットでした。今回登場している彗星のようなピンクの高エネルギー体は、この2つ目のハートショットでした。傲慢の塔からの自由落下エネルギーと、空気との摩擦熱。そしてまどかさんの想いが込められたことにより、物理的な破壊力を持つまでになったようです。
ただ、実際にほむらさんに当たっていたとしても、もしかしたらノーダメージだったのかもしれませんね。受け取る人が限定されているハートショットで、それ以外の人が触れると大惨事… というものだったかもしれません。

■ファイナルアルティメットディフェンスについて。
ノーブルさんはお気づきと思いますが、作中で「ファイナルアルティメットディフェンス」と称して使用しているスキルは、実は「プロテクターオブフェイス」です。見た目が派手ということもあり、こちらを採用しました。ただ、ほむらさんとはPTを組んでいない状態ですので、今回はプロテクターオブフェイスを使用してもほむらさんを助けることはできません。その為、スキルとしては「ファイナルアルティメットディフェンス」である必要があったのです。

■シャドーステップについて。
光刃さんがほむらさんを抱っこして救出した際に使用したワープスキルは「シャドーステップ」でした。この短時間で連発できたのは、卓越したからとお考えください。実際に撮影時に卓越し、2連続で使用できていました。

■爆心地の手紙について。
どこかで見たことがあるかもしれませんが… 過去の番外編で使用した手紙を、そのまま切り出して再利用しています。さて、どの物語でしょうね(微笑)

■血盟チャットについて。
7ページで突如登場する娘とまどかさんの血盟チャットですが、これはスクリーンショットではなく「MSゴシック」フォントでそのまま書いています。なお、表情アイコンは全サーバコミュニケーション掲示板などでおなじみのものですが、娘は髪色をオレンジに変えており、まどかさんも同じくピンクに変え、更に「><」という表情を描き込んでいます。

■誰もいないギランについて。
8ページ目以降に出てくるのはすべてギラン城の村です。しかし、いつもは賑わっているはずのギランですが誰も(NPCすらも)いない状態です。普通に考えるとメンテナンス直後と思うでしょうが、実はこれ、コントローラとリプレイ再生を使用することでいつでも実現可能な裏技を使っています。詳細を知りたい方は個別にご連絡ください。

■ほむらさんの悲壮な決意の理由。
一度読んだだけでは、何故ここまでほむらさんが悲嘆に暮れているのか、描写不足により分からないかもしれません。今回のお話では、ほむらさんはもう元の世界(理改変後の見滝原市)には戻れないという前提で描いています。「暁美ほむらさんがリネージュ2にログインしている」というわけではありませんので、ログオフすれば元通りというような軽いお話ではないのです。ほむらさんもまた、まどかさんと同じようにオリジナルの世界では誰からも忘れられてしまった存在となっており、彼女の軌跡や存在したという証は「こちら側」の人たち(ミキさんなどまどかさんから聞いている人)と、すべてを知るまどかさんのみが覚えているという設定で作っておりました。それを考慮してお読みいただけると多少違和感を緩和できるのではと思います。一度こちらに来てしまったら戻れないという、不可逆の選択をしたのです。
最後のまどかさんは、それらをすべて理解した上でほむらさんに接しています。その為、「元の世界を捨ててきた」という罪意識を和らげようと「魔法少女はほむらさんだけではないから大丈夫」という論旨で諭しているのです。

■ゆまちゃんとかずみちゃんについて。
これらはまどか★マギカの公式スピンオフである「おりこ★マギカ」「かずみ★マギカ」の両作品に登場する魔法少女です。ただし、これらの世界は理改変前のお話ですので魔女やグリーフシードが登場します。本来は理改変後の時間軸とは相容れない世界ですが、数少ない魔法少女の一員としてお名前を挙げてみました。
さやかさんのお名前を挙げなかった理由は… 彼女が魔法少女となった世界では必ず魔女となってしまうからです。2013年に公開予定の「叛逆の物語」では結末が異なるかもしれませんが…。


長くなりましたが、今回のお話については以上です。
上記ポイント以外にも、「この動作は何のソーシャルだろうか」といったことを探してみるという楽しみ方もできると思います。基本的に手描きしている箇所は今回荒地の背景部分くらいですので、それ以外の人物についてはすべて基本のソーシャル(歩く・走る・攻撃・立つ・座る を含む)を使用しています。

ノーブルさんのすごさと、ほむらさんのひたむきさ。そしてまどかさんの女神っぷりが表現できていましたら幸いです。
星の数ほどあるまどか★マギカの同人誌のひとつ… に数えられるかは分かりませんが、こういう物語もありではないかと思い作ってみました。
(コアな原作ファンには叱られそうですが^^;)

最後に、出演を快諾してくださいました登場人物のみなさん、リプレイの撮り直しなどの事故がありましたが、最後まで本当にありがとうございました。

この物語を紡ぐ者 DOSAN











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