携帯電話などのモバイル端末の方はこちらから→ 祭りだ!花火だ!肝試しだ!(モバイル版)

「みんな~もう夏じゃないの。た・か・ら、夏といえばのイベントをしましょうよぉ☆」
ある日のクラハンのとき、ブラフさんが急に言い出したこの発言が、今回の騒動の始まりだった。
「ブラフ、夏といえばのイベントってなんなのさね。」
「まったくお前という男は、急に何を言い出すんだ。」
ミスリル公認の夫婦・・じゃない、カップルのミキミコペアが少し呆れながらブラフさんに尋ねると
「そうねぇ~~~花火大会ってのはありきたりだし、夏祭りっても人数が多くないとだめだし~~~。う~ん・・・みるくちゃん、何かアイデアないかしらぁん☆」
急に話をふられたみるくさんはオロオロしながらも
「そ、そうですね 夏といえばよく怖い話をする人がいますよね
「ふぇ!私おばけとか怖い話とかやだよぉ~
そう言いながら頭を抱えてしゃがみこみプルプルしている娘さん。
隣にいるミコちゃんは・・・おぉ~娘さんの可愛さにクラクラしてるなw
「怖い話ねぇ~☆うん、いいわねそれ~、でもせっかくだから怖い話じゃなくて肝試し大会なんてどうかしらぁんa& 男女がペアになって、びっくりした女の子が男の子の腕にしがみついたりなんかしちゃってa& キャーいいは!最高のイベントになるわ☆」
一人で盛り上がるブラフさん。
いやいや・・・肝試しって言っても俺達普段から狩り場によってはアンデット相手に戦ってるからな
「準備は私にまかしてもらえるかしら。娘ちゃんは他の隊員に連絡お願いね☆
 さて、そうときまったら早速準備しなくちゃ☆じゃーみんなぁ~わたしは先に帰るわねぇ~。バイバイ
・・・・・・
全員があっけにとられているのを無視して、一人キャッキャッしながらブラフさんは帰って行った。
えーっと・・・
っということでどうやら肝試し大会が開かれるようです

娘さんはというと・・・
半泣きの状態で他の隊員宛てに肝試し大会についてのメールを送ってる。
「娘さん、どうしても怖いなら肝試しには参加しないでもいいんじゃないですか?
っと俺が言うと、娘さんは首を横に振って
「うんうん、せっかくブラフさんが企画してくれるんだから、私もがんばって参加します
少し目に涙を浮かべながらも、娘さんはニッコリ笑ったのだった。

そんなこんなで肝試し大会の日が来た。
集合場所は意外にも幻想の島。
俺はてっきり処刑所か帝国墓地、エルフの地下神殿などと思っていたんだけど、まぁ、今回は狩りじゃなくてあくまで肝試し大会だから、ここの方が都合がよかったのかも
集合場所にみんなが集まったところでブラフさんがダンボール箱を1箱と正方形の箱を持ってやってきた。
「ブラフさん、今日はイベントを企画してくれましてありがとうございます。」
DOSANさんが頭を下げると
「もぉ~DOSANちゃんったら~そんな気をつかわなくていいのよ~☆
 じゃ~みんなこっちに来てくれるかしら~。配りたいものがあるのよ☆」
と、持ってきたダンボール箱の中身を取り出すブラフさん。
「ほぉ~これは浴衣ですな。」
「こっちには甚平もありますよ!」
爺やさんとミカちゃんが一着ずつ手にとりながら言っている。
「わぁ~この浴衣ウサギさんのマークがついててカワイイ~
「ねね、見て見て娘ちゃん。こっちはくまさんだよ
「これなんかハートマークだよ
娘さんとみるくさん、しふぉんさんのドワッ娘トリオはキャッキャッとはしゃいでいる。
「へぇ~ブラフったら、気が利くじゃないのさ。」
ミキちゃんが花柄の浴衣を見ながらブラフさんに言うと
「でしょでしょ~☆ やっぱり肝試しは和服を着てやらなくちゃ雰囲気でないと思って☆」
頬に手を当てクネクネしながら答えるブラフさん。
そういうもんなのかな
俺にはよくわからないけど・・・でも浴衣姿の女性を見れるってのは・・・
ブラフさん、グッジョブ!

「この浴衣、とってもいい香りがする。ボク、この浴衣にしようかな。グレンさん、その・・この浴衣なんだけど、ボクに似合ってるかな?」
ミクちゃんが手にしてる浴衣は、空のような青い生地に白い花の模様がついてるものだった。
「え、えっと~空色の浴衣だね。ミクちゃんにピッタリの浴衣だと思うよ
そういうとミクちゃんは少し顔を赤くして
「ありがとう。」
と言いながら娘さんにも選んだ浴衣を見せに行った。
か、かわいい~~~~
「グレンさん、鼻の下が伸びてますよ
ミケちゃんに言われたのであわてて顔を戻す。
でも、ミクちゃんのあんな仕草をみたら、誰だって鼻の下をのばすでしょ!
えっ?俺がロリコンだからだって?
違う!俺は年下がタイプなだけだ!!!
頭を抱えている俺の横にネルさんが寄ってきて耳元で
「グレンさん、ミクちゃんは娘さん以上に箱入り娘だから大変よぉ~
と不敵な笑みを浮かべて自分の浴衣を選びにブラフさんのところに行ってしまった。
た、たしかにそうかもしれない
って!別に俺はミクちゃんと付き合いたいとかそんなんじゃなくて!ただ守ってあげたいっていうかなんというか!
っとまた頭を抱えているとブラフさんが
「浴衣が決まった人から私のところに来てねぇ☆ 肝試しのペアを決めるくじ引きをひいてもらいたいから~。もちろん不正はしてないから安心してね☆」
いやいやいや、最後の発言はフラグじゃないんですかブラフさん

男性陣は甚平、女性陣は浴衣、自分が着るものが決まったところでくじ引きが始った。
くじ引きの結果はというと・・・
見事にフラグが成立!
『ミキミコペア!』
『DOSANさん&娘さんの親子ペア』
とここまでは予想通りだったんだけど・・・・
「おめでとうグレンちゃん☆ ミクちゃんとペアよ~チャンスよ~がんばってねぇん
・・・・・
・・・・
・・・
ぜ、ぜ、絶対に何か細工してたでしょぉぉぉぉ!!!!!!!!!
3度目の頭を抱える俺に対してネルさんはニヤニヤして、しふぉんさんはというと・・・
どこから出したのか桶にハァ~と息をかけ、布で奇麗に磨きながら俺の方を見ている。
しふぉんさん、最近桶で俺を殴るの楽しみにしてませんか

いろいろな思惑が混じり合う中で、いよいよ肝試し大会の幕が開こうとしていた。

肝試しの会場は幻想の島に建てられた仮設のテント(っといってもかなり大きいな)。
すでに何組か肝試しが終わって出てきてるんだけど・・・
よっぽど怖いのかグッタリしてる人もいれば泣いている人もいる。
中でもネルさんとしふぉんさんにいたっては、
「ムシムシムシムシムシムシ・・・・虫が・・・・虫が・・・・浴衣に入ってぇぇぇぇ!!いや~~~~気持ち悪いぃぃぃぃ!!!いやああああああああああああああああ来ないでぇぇぇぇ!!
と肩まではだけた浴衣も直さず叫んでいるし、
「あはははっははははは!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
と、しふぉんさんにいたってはもう何が何だか分からない状態である。
い、いったいこのテントの中で何が起こってるんだよ・・・
そうこうしてるとテントの中からDOSANさんと娘さんが出てきた。
娘さんは
「うっわぁ~ん~怖かったよ~
と泣き叫んでいる。
「DO、DOSANさん、いったい中で何があったんですか?」
と尋ねると
「あまり中の仕掛けをしゃべると肝試しにならないので多くは語れませんが、その、首のないお化けが追いかけてきましてね・・」
ふむ、お化け屋敷とかによくある怖がらせ方だな。
「ただ、その追いかけてくるお化けの数が・・・はっきりと数えてはいないのですが・・おそらく100体はいたかと・・それが全速力で私達を追いかけてきまして・・」
こ、怖っ!怖すぎるでしょそれは!
「私達のことはお気になさらず、娘と二人で少し休んできますので
そう言い残すとフラフラしながらベンチに向かって行った。
・・・・
辞退したいです!

そう思ってると今度はミキちゃんとミコちゃんが出てきた。
するとミキちゃんはブラフさんのところに走っていき何か大声で怒っている。
ちょうどミコちゃんが俺のそばにきたので
「ミコちゃん、中で何かあったの?」
と聞くと、ゲッソリした顔で
「いや、肝試しなんか所詮子供だましだと思っていたんだが・・・」
と中での出来事を説明してくれた。
それによると、最初の部屋に入るとそこに大勢の黒い影が立って二人に近づいてきたのだという。ただ、その影というのがミキちゃんの故郷の人たちだったそうで、
「あら~あの小さかった子が、こんなに奇麗な女性になるなんてね~。おばさんのこと覚えてる?あなたがまだ赤ちゃんだったころ、よく面倒をみたのよ~」
「ほぉ~今はミキって名前を名乗ってるのか~なかなかいい名前だな。」
「この男前のダークエルフがミキちゃんの彼氏なのかい?」
「あんたの娘さんもなかなかいい男を捕まえるじゃないか。」
「そりゃ~そうだ、なんてったって私たちの自慢の娘だからな。」
などと二人を囲んでワイワイ喋りまくっていたという。
すると1人の影がミコちゃんに
「そういえばあんた、ちゃんとミキちゃんの親にはあいさつしたのかい?二人ともいつかは結婚するんでしょ?だったらちゃんとご両親に挨拶しないといけないねぇ~」
と言い出したもんだから、急きょミキちゃんの両親に対して結婚のあいさつをしなくちゃいけないようになったらしい。
そこまで俺に話をするとハァ~とため息をついて
「ある意味、今まで生きてきた中で、一番怖かったぞ・・・
とういうと座り込んでしまった。
そこに怒りながらミキちゃんが帰ってきて
「まったくブラフったら!私の故郷のみんなを肝試しのために利用するなんて!信じられないさね!ちょっと光刃!あんたもこんなところに座ってないでブラフに文句言いに行くわよ!
とミコちゃんを連れて行ってしまった。

あとからブラフさんに聞いた話では、ダークエルフの呪術の交霊術を使いミキちゃんの両親に手伝いを頼んだところ、ノリノリで引き受けてくれ、さらには村人総出で手伝うと言ったみたいで、正直ブラフさんも少し困ってたという
「グレンさん、次はボク達の番だよ。」
そう言いながらミクちゃんが俺のそばにやってきた。
「みたいだね でもなんかみんなの様子を見てると・・・なんかやめと置いた方がいいような気がするんだけど
俺がそういうと
「でも、ボク達だけがやらないってわけにはいかないだろうし。一緒に頑張って行こうよ
と笑顔で言ってくれるミクちゃんを見ながら、本当に大丈夫かな~と少し心配になる俺なのであった。

さぁ~て、次はグレン&ミクちゃんペアの番よぉ~
ニコニコしながらブラフさんは言ってるけど、やっぱり入りたくないです!
「あ、ミクちゃんちょっとこっちに来てくれるかしら。ミクちゃんの羽飾りは預からせてもらうわね
「そんな、それがないとボク困るんだけど・・」
「だってほら、真っ暗な部屋に入っても、これがあるとミクちゃんには全部わかっちゃうでしょ だ・か・ら・よ
ブラフさんに言われてシブシブ羽飾りを預けることになったミクちゃん。
あぁ、本当に大丈夫かな
そう思いながら二人でテントの中に入って行った。

テントの中に入ると、まず最初の部屋にはたくさんの扉と、その上に各ペアの名前が書いてあり、『自分の名前が書いてある扉に入ってね』とブラフさんが書いた張り紙があった。
自分達の名前が書いてある扉を開けて中に入ると、そこは薄暗い廊下だった。
「グレンさん、ボク羽飾りがないから様子がわからなくて・・どんな部屋なのかな?」
「薄暗い廊下が続いてるだけで、特に何もないよ
「そう、よかった」
少し安心したのかミクちゃんはニコッと笑い
「みんなより早く外へ出て驚かせようよ
と言いながら廊下を歩いていく。

しかしこの廊下、少しおかしい。静かすぎるのだ。
肝試しなのだから脅かすために誰かいたり、または仕掛けがあるはずなのだが、そういうのが感じられない。
これでも俺は短剣職だ。ミコちゃんのように暗いことろでの能力向上はないが、それでも『なにかしらの気配』には敏感な方だと思う。
「うぅ~ん・・・」
「グレンさん、どうかした?」
「いや、何でもないよ」
不安そうに俺を見るミクちゃんに余計な心配を与えないように明るい声で返事をする。
『!?』
二人の歩みが止まる。
どうやらミクちゃんも感じたようだ。
俺達の後ろから急に気配がしたのだ。
「・・・何かいるね・・・」
ミクちゃんが小さな声でつぶやく。
「・・・うん・・・」
絶対におかしい!さっきまで何も感じなかったのに!
何か仕掛けが動いたのか、それとも脅かしに誰か来たのか、とにかく後ろを確認しないことにはどうにもならない。
「俺が後ろを確認するから、ミクちゃんはすぐに逃げれるようにしててね・・」
ミクちゃんがうなずいたのを確認してから俺はゆっくりと振り返った・・・
「!!??」
振り返って俺が見たものは、巨大な頭蓋骨だった。
その頭蓋骨は目だった部分に淡い光をともし、ケタケタと笑い、巨大なために天井や壁を削りながらこちらに向かってくる!
「ミクちゃん急いで逃げよう!」
俺はミクちゃんの手をつかむと出口の方に走りだす。
ミクちゃんは後ろに何があったのかわからなかったようだが、とにかく走り始めた。
ミシミシッ!ガガッ!ズズズズッ!ケタケタケタ~~~
後ろから壁や天井が削れる音と、あの頭蓋骨の笑い声が聞こえてくる。
幸い、追ってくるスピードは遅いため、俺達が出口に着く方が早いだろう。

よかった~なんとか無事に出れそうだ
にしても、これ肝試しじゃないだろ!普通の狩りでもここまで命がけのことはないぞ!
「ミクちゃん大丈夫?少し走るスピードを遅くしようか?」
「大丈夫だよ、でもいったい何が追ってきてるの?」
「えーっと、なんて言えばいいんだろ・・とにかくデッカイ頭蓋骨が廊下を壊しながら俺達を追ってきてる・・・としか言いようがないかな
なんだか自分でも何を言ってるのかわからなくなってくるが、とにかく今の状況をカンタンに説明すると、ミクちゃんは
「あの気配はその大きな頭蓋骨だったんだ・・・肝試しってなんだかすごいんだね
そう言いながら何か感心している。
いや違う、断じて違うよミクちゃん・・こんなの肝試しじゃないから
そう思いながらも口には出さず、とにかく出口に向かって走って行く。
走っていると、廊下の先に扉がうっすらと見えてきた。
「出口発見!ミクちゃんもうすぐだよ
「よかった
本当によかった、あと少しでこの肝試し・・・いや、肝試しモドキも終わるんだな~

ホッとしたのもつかの間、今度は出口であろう扉の前に大量の頭蓋骨が集まりだして俺達の方に向かってくる。
「もぉーーーーーーーーーーーー!なんだよこの肝試しはぁーーーーーーー!!」
思わず叫んでしまうぐらい目茶苦茶だ。
「グ・グレンさん、今度は何が起こったの?」
ミクちゃんは少し驚きながら俺に尋ねてきたので、出口付近の状況を簡単に説明すると
「なるほど、状況はわかったよ。とにかく今は出口だろうその扉につくために何とかしないといけないんだね。」
「そういうことだね・・」
武器があれば簡単に扉までいけるのだけど、入る前にブラフさんに預けてしまったからそれはできない。っとなると・・
「強行突破しかないか・・」
「ボクもそれしかないと思うよ。」
こういう場合じっくりと作戦を考えてから実行した方が成功率は高くなる。
しかし、今は後ろから巨大頭蓋骨、前からは大量の頭蓋骨が迫っているので、すぐにでも行動に移さないといけない。
「ミクちゃん、1つ聞いていいかな?」
「うん、何?」
「ミクちゃん、ワープ使えるでしょ?それって二人同時にはできないよね?」
ミクちゃんは不思議そうな顔をしながら
「うん、PT用のすきるじゃないから二人同時は無理だね。」
「じゃーさ、2人だけど1人ならどう?」
ミクちゃんは首をかしげている。ちょっと説明不足かな
「いや、抱っこやおんぶとか、とにかく二人が密着した状態ならどうかなって。」
「そういうことはやったことないから・・・」
まぁ、そりゃ~そうだよね
しかし・・・・・
「よし!ミクちゃん、早く俺の背中に乗って!」
「えっ・・えっ!?」

俺が急にそんなことを言うもんだから、ミクちゃんは顔を真っ赤にしてオロオロしているが、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
「俺に考えがあるから、とにかく早く!」
何が何なのか訳がわからないまま、とにかくミクちゃんは俺の背中におんぶされるように乗った。
あぁ~ミクちゃんって軽い~~いい匂いがする~~~やわらかい~~~
って、今はそんな場合じゃない!
鼻血が出そうなのをなんとか頑張って、俺が考えた作戦をミクちゃんに説明する。
作戦はこうである
1.まずミクちゃんをおんぶした状態でワープを使ってもらう。
2.おそらく大量の頭蓋骨のど真ん中に出ると思うので、そこで俺が『アルティメット・イベイジョン』を使う。このスキルは回避能力が大幅に上がるスキルだから、頭蓋骨をよけながら扉に到着する。
という内容だ。
考えた自分でも目茶苦茶な作戦だと思う。
そもそもワープがおんぶした状態でできるかどうかもわからない。
でも、やるしかない!
説明をし終わるとミクちゃんもやってくれると言ってくれた。
さて、この作戦・・・・うまくいくかいかないか!
それはやってみなくちゃ~~~~わかりません!

「行くよ、ミクちゃん!」
「うん!」
ミクちゃんの返事を合図に俺は全族力で扉に向かって走る!
前にいる大量の頭蓋骨は道をふさごうとこちらに襲ってくる!
「今だ!ミクちゃんワープおね!」
『ワープ!』
視界がぼやける!
っと次の瞬間、俺達は大量の頭蓋骨のど真ん中に立っていた。
よっしゃー!成功!!やってみるもんだー!ヒーーーーーーハーーーーーーーーーー!!
っと、次は俺の番だ!
『アルティメット・イベイジョン』
スキルを発動させると、体が軽くなり、周りの動きも遅くなった。

いける!これなら頭蓋骨共の隙間をぬって扉にいける!
頭蓋骨はというと俺達にかみつこうと飛びかかってくるが俺の動きの方が早いので壁にぶつかって砕けたり、お互いを噛み合ったりしている。
扉まであと少し!
もう少しで扉のノブに手がかかる!
急に体が重くなり、周りの動きも元に戻る。しまった、スキルの効果が切れた!
頭蓋骨達が一斉に俺達に飛び掛かってくる。
もう少し、もう少しで出口なのに・・・
いや、だめだ!ミクちゃんだけは・・・絶対に・・・守る!!!
「ミクちゃん!扉に飛び込んで!」
「えっ!?そんなグレンさんは!?」
背中でミクちゃんが泣きそうな声で叫ぶ。
「なんとかなる!」
と、思う・・・までは口には出さない!
ガブッ!
「ヒギッ!」
ふ、ふともも・・・噛まれた!イタイ
「いいから!ミクちゃんは逃げなさい!」
そういうと俺は背中のミクちゃんを両手で持ち上げる!
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね!
ガブッガブッ!
イ・・イタイ!
もう体中いたるところを噛まれている!
でも、でも!
「でも!負けない!意地があるんだよ!女の子に傷をつけるのは男の恥なんだよぉーーー!!」
扉の方にミクちゃんを投げ飛ばす!
と、不思議なことに扉が勝手に開き、ミクちゃんは扉の奥へと消えてしまった。
とにかくこれでミクちゃんは無事出られたようだ・・・
あれ?なんでだろ・・体中噛まれてるのに・・ホッとしたら痛くなくなったな・・
目の前が暗い・・・あぁ・・・俺・・・だめかも・・・・

あぁ~気持ちいい~~~
フカフカ~~~
スベスベ~~~
心地いい枕だね~~~~
「・・・・さん・・・グレンさん・・・」
俺の名を呼ぶのは誰?
「あの・・・グレンさん・・・そんなに触られると・・なんだかくすぐったいよ・・」
!?
目を開けると顔を真っ赤にしたミクちゃんが見えた。
枕と思ってたのはミクちゃんの膝枕だったのか!
キャー
「二人ともおつかれ~~ どうだった?怖かったでしょ~
ニヤニヤしながらブラフさんが俺を見ている。
「しかしグレンもまだまだだな。たかが肝試しで気絶するとは。」
やれやれと頭を押さえてるのはミコちゃんだ。
「でも、気絶しちゃうぐらい怖い思いをしたのに、ミクちゃんを無事に出口まで連れて行ったのは、さすがグレンさんと言ったところでしょうかね
うぅ・・・ミケちゃ~~ん、ほめてくれて、俺うれしいよ~~~
あ!そうだ!
「ミクちゃん、膝枕ありがとう。重かったでしょ、すぐにどくから」
起き上がろうとすると、ミクちゃんに頭を押さえられた。
え・・・・
「ううん、ボクは大丈夫だから。もう少しこのままでいた方がいいよ。」
え・・・・あの・・・・えぇえ!?
「ほらほら~、お邪魔なみんなは向こうに行きなさい~ あ、私もお邪魔だわね じゃーお二人さ~ん、事が済んだらぁ~むこうで肝試しの打ち上げにバーベキューしてるから、来てね~ あ、別にこのまま二人でどこかに行っちゃってもいいのよ

そう言いながら風のように去っていくブラフさん・・・
・・・・・・
き、気まずい!
去り際になんてことを言っていくんだよ!
あたふたしている俺にミクちゃんはというと・・・
・・・・・・・
あ、あのミクちゃん・・・
顔を近づけてきて・・・・
いや・・・え・・・何・・・
ミクちゃんの息がかかるぐらいの距離なんですが・・・・
奇麗な顔だな・・・髪もサラサラしてそうだし・・・唇・・・やわらかそうな・・・
って・・・そんなこと考えたらだめだろグレン!
でも・・・・・・・
いや・・・いや・・・その・・・いや・・嫌じゃないですが・・・
むしろ・・・いやいや、ダメダメ・・・
「グレンさん・・・・」
「は、はひぃ!」
うわぁ~間抜けな声出しちゃったよ俺・・・
「ありがとう。」
そう言うと今まで見たことない『ほほ笑み』を見せてくれた。
「どういたしまして。」
そう言って俺も『ほほ笑み』返した。

向こうでみんなが楽しそうに騒いでいる。
でも、
もう少しだけ、
ここで二人の時間を過ごしてもいいかな~
そう思う俺なのだった。










あとがき~

なんとか完成(?)しました今回の物語。
なんだか文章がめちゃくちゃですね
その日の気分で物語の書き方が変わってるせいだと思います・・
もっと文章に統一性をもたないとな~今後の課題です

さて、今回なんですけど、物語を作りながら少し迷ったことがありました。
それは、「ミクちゃんとの関係」です。
いや、ミクちゃんやミスリルを冠するみんなは、DOSANさんから生まれた人物ですよね。
それなのに勝手にグレンとニヤニヤするような関係にするのって・・・
どうかな~~~と思いまして

ということで、今回の最後のシーンはDOSANさんに怒られるのを覚悟して書きました。ので、不快に思われたら削除してください

極力ミキ&ミコカップルのようなデープで大人の恋愛ではない、ライトな初恋ぽく書いてはみましたがね

ウーン、なんかこの文章も無茶苦茶だな・・・眠いからか頭が働きません


あ、わすれてましたが・・・・

私の中でのしふぉんさんのイメージは
「かわいい外見で、鋭い突っ込みを繰り出すドワッ子」です





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