携帯電話などのモバイル端末の方はこちらから→ チョコのお返しは、温泉にご招待!?(モバイル版)


「寒いなぁ~。」
最近アデンではバレンタインのイベントを各地でやっている。
けど、まぁ~俺には関係ないか・・・
「本当に今日も寒いなぁ~」
体も寒ければ心も寒い。
今年は娘さんたちミスリルの女性隊員からはチョコをもらえた。
義理だけど・・・
いや、もらっただけましか。
「お返しどうしようかな~」
そう思いふとかばんの中身を見てみると、バレンタインケーキの材料が残っていた。
お、これでケーキを作って売ったお金で何かプレゼントでも買うか。
我ながら名案だ。
「さてさて、おいしいケーキは出来るかな~」
クイーンキャットからもらったレシピを見ながら作る。
よし、なんとかうまくできたな。
それじゃーさっそく売りに行くか。
そう思って出かけようとした瞬間!

『ボンッ!!!』

「えっ!?ケーキが爆発!?なんで??爆発するようなものは入れてないぞ」!
頭が混乱していると、上からヒラヒラ何かが落ちてきた。
何だこれ?何かの紙みたいだが?それに何か書いているなぁ。
・・・・・・
・・・・
・・
読めない!
大小様々なネコの肉球のスタンプを押した紙なのだ。
意味がわからない、何かのいたずらか?


「おめでとうだニャ!!」

背後で大声がしたので振り返ってみると、そこにはクイーンキャットが目を輝かせてうれしそうに立っていた。
「その紙はニャ、パーフェクトケーキよりもずぅ~~~っと価値がある紙なんだニャ!
 な、なんと!あなたの所属しているクランの方々全員を、豪華温泉旅行に招待するっていうものなんだニャ!だからおめでとうなんだニャ!」
「えっ?・・・エェェェェェェェェ!?」
ちょ、ちょっとまて、おちつけグレン!
豪華温泉旅行ご招待?今回のイベントにそんなのあったか??
「え、えーっと・・冗談でしょ?」
「冗談じゃないニャ!その紙は今回のイベントで1枚しか出ないプレミアムな紙なんだニャ!うらやましいニャ~豪華温泉旅行だなんてニャ~。」
そう言いながらクイーンキャットはどこか遠くを見ている。
・・・どうやら本当らしい。
しかし、いきなり温泉旅行ってなぁ・・・・・・!
いいじゃん!チョコのお返しに豪華温泉旅行!
俺に対する娘さんの高感度も急上昇!来年は本命チョコGET!そのまま結婚!
おぉぉぉ~まさにミラクル!神様ありがとう!!!
「で!どうやって温泉まで行くんだ、教えて!早く!今すぐ!」
「行く日にちが決まったら私に教えてくれればいいニャ。温泉まではゲートキーパーが無料で送ってくれるから心配しなくてもいいニャ。ゴダートの温泉なんかよりも、もっとすごい温泉だから、楽しみにしてるといいんだニャ。」
おぉぉぉ~GKもタダなんてすばらしい!これはさっそく娘さん達に知らせねば!
「それじゃーさっそくクランのみんなに伝えてくるから、日にちが決まったら言いにくるから!」
「わかったニャ、いってらっしゃいニャ~」
さて、早く娘さんにこのことを伝えなきゃな。
そう思いながら娘さんの家に走っていった。


「ほぉ~これはすごいですね。」
『猫温泉郷』と書かれた看板の掛った豪華な旅館の前でそう言ったのは、娘さんの父親であるDOSANさんだった。
招待券が当たった日、娘さんにそのことを伝えると大喜びで隊員たちにメールを送り、GKに温泉まで送ってもらい、今にいたる。
しかし、本当に豪華な旅館だな・・・
大きさはアデン城ぐらい、立派な木造建てである。あまり大陸では見かけない建物の作りだがそれがめずらしく、余計に立派に見えるぐらいだ。
「本当にすごいわね~、娘さん、来てよかったね。」
娘さんにそう言ってるのはミキちゃんである。
に、しても・・温泉旅行なのに背中にドラスレを背負ってるとは・・ミキちゃんらしいか。
「本当にすごいね~、私ゴダートの温泉しか行ったことないから、今日の旅行はすっごく楽しみにしてたんだぁ。グレンお兄ちゃん、今日はみんなを誘ってくれてありがとうね。」
あぁ~娘さん~その天使のような笑顔は反則ですよ~~あぁ~これてよかった・・本当によかった・・・
「何ゆるんだ顔をしてるんだグレン。娘も娘だ、たかが温泉ぐらいで。」
むっ、出たな俺の恋敵のお邪魔虫のミコちゃんめ!温泉ぐらいって言ってる割には、娘さんからもらった帽子を濡らさないようにって防水加工してもらってたくせに~まったく素直じゃないんだからミコちゃんは。
「まぁまぁミコちゃん、そう言わずに、今日はゆっくりと温泉に入って日々の疲れを取るのもいいじゃないですか。」
そういってミコちゃんに微笑んでるのはミスリルで一番の頭いいミケちゃんである。さすがミケちゃん、ミコちゃんの扱いもウマイ!
「私は熱めの温泉が好きですね。オークの中では、熱い風呂に入るのが通と言われているんですよ。」
ミスリル1熱い男、ミカちゃん!お風呂も熱いのが好きとはさすが熱い男!熱すぎるぜ!
「ボクはどちらかというとぬるめのお風呂が好きかな。」
ミカちゃんと話をしているのはミクちゃんだ。そういえば去年の年末にあった忘年会に1回あっただけで、あまり話したことがないな~・・・忘年会・・・思い出すのはやめておこう・・・


「すごいですね~この造り。すっごく高そうな旅館ですね~そう思いませんかネルさん。」
「普通に泊ったら一泊10mぐらいするんじゃないの?しふぉんちゃんは払えるかな~?」
「そんなに高いのかな?それじゃーボッタクリじゃないですか。」
「大丈夫ですよトムさん。もしイカツイやつが出てきたら、私のTSSをかましてやるから。」
「いや・・めるさんは短剣職でしょ・・・って忘年会でも同じようなこと言ってたような・・」
「あれ?そうだっけ?まぁ~あのときは私もショートさんもお互い酔ってたからね。」
後ろでキャッキャッ言っているのは上から、しふぉんちゃん、ネルさん、トムさん、・めるりむ・さん、ショートブレッドさんだ。みんな温泉に入る前なのにテンション上がってるな~。まぁ・・俺も上がってるんだけどねw
「グレンさん、今日はみんなを温泉に招待してくれてありがとうございます。わしも年じゃて、今日は温泉にゆっくり浸かって疲れを取って、またDSSの制作を頑張りましょうかのぉ。ほっほっほ。」
「いやいや爺やさんは若いですよ。前のクラハンのときは大活躍だったそうじゃないですか。」
「ほっほっほ、そうですな。」
入り口前でみんなワイワイ騒いでいると、中からミュー・ザ・キャットが出てきてみんなを部屋に案内してくれた。
部屋に行くまでにキャット・ザ・キャットやカイ・ザ・キャット達が忙しそうに働いていたけど、でもあれだな、猫温泉郷という名前だけあって、本当に猫だらけだな~。

「お部屋に着きましたニャ。こちらのマタタビの間は男性のお客様のお部屋で、こちらの子猫の間が女性のお客様のお部屋ですニャ。では、何かありましたらお呼びくださいニャ。ごゆっくりニャ。」
そう言って深々とお辞儀をするとミューは部屋を出て行った。
あ、チップとか払わないといけなかったかな・・・まぁ、いっか。
部屋は大部屋だがきれいな生け花や、きっと高価なんだろうな~と思う掛け軸、壺などがあり、ネルさんが言ってたように、普通に泊ったら本当に一泊10Mするんじゃないかというぐらいすごい部屋だ。
「みんな、着いたばかりだけど温泉に入りに行こう。」
そう言いながらすでにタオルや石鹸を抱えている娘さんが部屋に入ってきた。
「こらこら娘よ、今着いたばかりですぐに温泉に入ろうなんて。みなさんお疲れかもしれないじゃないか。」
「あぅあぅ~そうだね、なんかみんなと旅行に来れたのがうれしくて、ついついはしゃいじゃった。」
あぁ~あぅあぅしてる娘さんも・・・・・いい!
「まぁ、ここまでGKに送ってきてもらったから俺は疲れてはないぞ。」
「そうですね、入れる人はさっそく今から温泉に行きましょうか。」
「デジャー!マグマのように熱い温泉が私を待ってるぞ!」
そう言いながら準備するミカ&ミケ&ミコトリオ。はっ!やばい俺も急いで準備しなくては!
「娘さん、俺もすぐに準備しますから!ほら、トムさんも準備準備!」
「えっ!?いや、私はあとでいきm」
「問答無用!」
トムさんに無理やり準備させてっと。あ、トムさんシブシブ準備し始めたと思ったら、一番早く準備終わってるじゃん・・鼻歌まで歌ってノリノリじゃないですかw
「私と爺やさんは少ししてからそちらに行きますから。みなさんはお先にどうぞ。」
DOSANさんと爺やさんはお茶を飲みながら一息ついている。この絵面・・・まさに休日のおじいさんとお父さんって感じだな。似合いすぎてますよお二人さん。

さて、みんな準備出来たようだし・・・
「じゃーさっそく温泉に行くぞおおおおおおお!!このグレン・ラガンに続けぇぇぇ!!」
そして、DOSANさんと爺やさん以外の隊員達は、温泉へ向かうのだった。
あ、念のために言うと、混浴じゃないってミューが言ってたな。
残ねn・・・いや、当然だよね・・・・
「ホェ~~」
お湯の中は天国~冷えた体にしみわたるお湯のぬくもり~
「ホェ~~~~」
「グレン、気持ち悪い声を出すな。」
「いやいやミコちゃん、温泉に入ったらこういう声が出るもんなんだよ~エルフってのはね。ホェ~~~~」
「そうなのかミケ?」
「いや、そんなことはないかと。グレンさん、うそつかないで下さいよ。」
ミケちゃんが苦笑しながら俺の方を向いている。
「いや、まさかミコちゃんが信じるとは思わなかったから。まったく、ミコちゃんが冗談の通じない人だから俺が怒られたじゃないか。」
「ふん、つまらん嘘をつくからだ。」
そういってそっぽをむくミコちゃん。するとトムさんが
「ん?みなさん、ちょっとあそこ。」
とむこうにうっすらと見える壁の方を指差した。
ん?はっきりとは見えないけど・・・何か影のようなものが動いてる!
「きっとほかのお客さんなのでしょう。気にせずに私たちも温泉を楽しみましょう。」
そう言ってお湯に頭を沈めるミカちゃん。相当このお風呂が気に入ったのかな?
トムさんもそうですねといった顔でのんびりお湯につかっている。
まぁ、ミカちゃんがいうようにほかの客がいてても不思議じゃない・・・
ないんだけど・・・なんか気になる・・・
ふとミコちゃんの方を見ると、どうやらミコちゃんも俺と同じように思ってるみたいだ。
俺はミコちゃんのそばに行ってから小声で
「ミコちゃん、なんかあの動き・・怪しくない?俺、なんかいやな予感がするんだけど・・」


「グレンもそう思うか・・・」
短剣職というのは相手の動きを読み、鋭い攻撃をする職だ。
それと同時に動物的な鋭いカンも必要な職で、LVが上がるにつれそのカンも鋭くなっていく。俺もミコちゃんも、今そのカンがささやいているのだ。

『何か嫌な予感がする』と。

「みんな、ちょっと気になるから二人で見てくるね。」
そう言ってから俺とミコちゃんは影の方へ向かった。
「おいグレン。」
「・・・・何?ミコちゃん」
「お前には何が見える・・」
「え、えっと・・オークが壁の前で飛び跳ねている・・かな・・」
今俺たち二人は、さっき見た動く影の場所に立っている。のだけど・・
「ミコちゃんは何が見える・・」
「お前と同じだ・・」
そこで見たのは、背が低くて異様に頭の大きいオークが壁の前で必死に飛び跳ねているという、それはそれはとてつもなく異様な光景だった。
「何をしているんだアイツは。」
「そんなこと俺に聞かれても困るよ。」
どうしたらいいのかわけもわからず二人で立っていると、どうやらオークの方が俺たちに気づいたみたいで
「オイ!そこの二人!お前らこっちに来て俺様を手伝え!」
っと小声で言ってきた。
手伝えっと言われても・・・何を手伝えばいいのやら。
「それはオークの儀式なのか?」
とミコちゃんがオークに尋ねると
「はぁ?オマエは何言ってんだ?俺様がこんなところで儀式なんかするわけねーだろ!」
なんか怒りだしたぞこいつ。
「てか・・お前はここで何してるんだ?手伝えと言われても何してるのかわからないんじゃ手伝えないだろ?あと、お前らじゃなくて、俺の名前はグレンで、こっちはミコちゃん!ちゃんと名前で呼べよな。」

「グレン、俺をミコちゃんと紹介するな!」
二人で話しているとオークは
「お前らはお前らで十分だ。それよりも、オイ!そこのエルフ!俺様をお前って呼ぶな!お前俺様を知らないのか?俺様は海賊王ウザンカ様だぞ!」
と、小声で威張ってはいる。
「ウザイカ?」
「知らんな。」
俺たちが言うとそいつはズルッとこけた。
なんて古典的なリアクションなんだろ
「ウザイカじゃないウザンカ様だ!まったく最近の奴らは・・・ブツブツ・・・
まぁーいい、とにかくお前ら!俺様の作戦を手伝え!」
「いや、だから、手伝えって何をだよ。」
そう聞くとウザンカはニヤリと笑いながら
「温泉でする作戦と言えばあれしかないだろ・・・女風呂を覗くんだよ!」
・・・・・
・・・・
・・・
『ハァ!?』
俺とミコちゃんは同時に声を出した。こいつ、よりにもよって女風呂を覗く手伝いを俺たちにさせようとしてるのか!?何を考えてるんだこいつは!
「貴様、冗談を言うのもほどほどにしとけ。グレンならともかく、俺が覗きの手伝いなぞするわけがないだろ。」
ミコちゃんがため息交じりにそうウザンカに言った。
ちょっとまてミコちゃん、グレンならともかくってどういう意味だよ!
「手伝う気がないならお前らはやくどっか行け!俺様は忙しいんだ!」
そういうと、また壁に向かってピョンピョン飛び跳ねている。
「あのなウザイカかウザンカか知らないけど、娘さん達がいる女風呂を覗こうとしているようなウラヤマシ・・・ケシカランやつをほっとけるか!」
俺はそう言うとウザンカを背中から取り押さえようと飛び着いた!
しかしウザンカも必死に抵抗する!
「や、やめろ貴様!俺様の作戦を邪魔するんじゃない!」
「ふざけんな!絶対に覗きなんかさせねーからな!」
「この野郎!俺様に勝てるとでも思ってるのか!」


「ちょっとミコちゃんも見てないでこいつを取り押さえるの手伝ってよ!」
俺がそう言うと、ウザンカとの取っ組み合いをしているのをただ見ていたミコちゃんも加わり、さらに激しい取っ組み合いになってしまった。
ビシッ!

『!?』

何か音がしたので3人で壁を見てみると、激しく暴れたせいで壁にひびが出来ている。
しかもヒビはどんどん広がってるじゃないか!
広がっていくヒビを見ながら青くなっていく俺とミコちゃんから逃げ出したウザンカは
「お、俺様は知らないからな!お前らが暴れるのが悪いんだ!俺様は知らないからな!!」
そう言いながらダッシュで逃げて行った!
あの野郎!暴れたのはお前が抵抗するからだろうが!ってか逃げるな!!
「お、おいグレン!何とかしろ!」
「何とかしろって!と、とりあえずヒビが広がらないように押さえるしかないじゃないか!」
そうだ!このままにしてたら壁が崩れてしまう!そう思った俺はとにかく壁に手を当ててヒビが広がらないように押してみた・・・押してみた???
押したら余計にヒビははいるじゃないかああああああああああ!!!!!!

ビキッ!ビキビキッ!ドンガラガッシャーーーーーーーン!!!!

壁は前倒れに崩れてしまった!
崩れた拍子に俺も一緒に前に倒れてしまった。

・・・・・
・・・あれ?
痛くない・・・
ちょうど俺が倒れたところにクッションでもあったのかな?
すごくやわらかいのに覆いかぶさるように倒れたせいでどこも痛くないのだ。
そして顔を上げると・・・・

『キャアーーーーーーーー!!!』

娘さん達の悲鳴が温泉郷に響き渡る!

「な、なんでグレンさんがここにいるのよ!」
ネルさんが叫ぶ!
「覗きなんていい度胸してるじゃない!」
「覚悟はできてるでしょうね・・(怒)」
ショートさん&めるさんはすでに臨戦態勢!
「グレンさん、やっぱりロリコンなんだ~ 娘さん、これからはグレンさんに近づかないようにしないとね。」
「あぅあぅ~グレンお兄ちゃんがこんなことする人だったなんて、私すごくショックだよ~」
「誤解です!娘さん!しふぉんさんも!みんなも!本当に違うんです!誤解です!」
あぁ・・みんなの視線が痛いよ~~~(泣)

あぁ・・向こうではミコちゃんとミキちゃんが言い争ってるし・・・
「ちょ、ちょっとミコ!あんたまで覗きに来るなんて!」
「違う!俺が覗きなんてするわけがないだろ。」
「違うって、今ここにいるじゃないのさ!」
「それはウザンカとかいうオークが覗こうとしてたのを・・・」
「オークなんてどこにもいないじゃないのさ!」
「俺の言うことが信じないのなら別にかまわん。それにだ、お前の裸なんか別に見たくはないし、興味もない。」

「な、なんですってぇぇぇ!!」
うわぁ~ミキちゃんをますます怒らせてどうするんだよ!ミコちゃんのばかぁ~~(泣)
「ミ、ミキちゃん、そんなに動いてたらバスタオルが・・・!?」
ハラリ~~~
「!?」
あ、バスタオルが落ちた。
あ、ミコちゃん鼻血出てる。
「見るなぁぁぁーーーーー!!!!!!!!!!!」
ミキちゃんのアッパーがミコちゃんの顎にクリティカルヒット!
天高く舞うミコちゃん!
あ、白目むいてる。完全に意識飛んだなあれは・・・

「あ、あのグレンさん・・・」
ミクちゃんの声が聞こえた。
四つん這いになっている俺の・・・・・真下から!
声の方に顔を向けると、そこには・・は、裸のミクちゃんが俺を見ている!
「その・・そろそろどいてくれるとうれしいんだけど・・グレンさんの手が・・・その・・ボクの翼と胸の上にあるから苦しいんだ・・」
ミクちゃんは頬を赤くして言っている。

「・・・・・・!?あ!ああ!ち、違うんだよ!これはわざとじゃないんだ!本当に! 事故、そう事故であって俺の意識したことじゃなくて!いや無意識に触りたいと思ったかというとそれも違うし!と、とにかく俺の話を聞いて!本当、誤解だから!別にミクちゃんのことが嫌だからとかそういうことじゃないくて、ああぁぁぁ俺何言ってるんだろ!?と、とにかk」

「いいからミクちゃんから離れろぉぉ!」
そう叫びながら、しふぉんさんのハンマークラッシュ(桶バージョン)を頭にくらい俺は意識を失った・・・・。


ちなみに、あとでミカちゃん達が訳を説明してくれて誤解は解けました。
あぁ・・・誤解が解けてよかった・・・本当によかった・・・・・

心地いい風が吹いている。
深夜、ふと目が覚めるとミケちゃんが縁側で夜空を見ていた。
「おや、グレンさんどうしました?」
「うん、なんか目が覚めてね。ミケちゃんこそどうしたの?眠れないの?」
「えぇ、まぁ
そういうとまた夜空を眺めているミケちゃん。
う~ん、なんか寝れないし、少しミケちゃんと話でもしよっかな。
そう思いながら俺はミケちゃんの横に座った。
心地いい風が吹いている。
お互い何も話さず、時間だけが過ぎていく。
「グレンさんは最近エルフ村には帰りましたか?」
相変わらず夜空を見ながらミケちゃんが話しかけてきた。
「ん?まぁ~ちょくちょく帰るけど。」
「そうですか。」
「ミケちゃんは?最近帰った?」
そう尋ねると少し困ったような顔をしながら
「私は追放された身ですから。」
・・・・
俺もそうなんだけどな・・・
「村のみんなは元気ですか?」
「元気だよ。相変わらず世界樹の元気がないとか言ってるけどねw」
「そうですか・・・」
そしてまたお互い夜空を見ながら無言でいると
「グレンさん。」
「ん?」
「長老は・・・アステリオス様も・・お元気ですか?」
「ん?あぁ~長老のじいさんね。元気だよ、前に帰った時に背後からブローしたけどピンピンしてたからw」
「ブローはやりすぎでしょ
そう言いながら少し笑ったミケちゃん。
でも・・・
「ミケちゃん。」
「はい?」
「長老に会いたいんじゃないの?」


「・・・」
俺の質問には答えなかったミケちゃん。でも・・・
少しため息をついてから静かに
「そうですね・・追放されてから一度も会ってませんから、会いたいという気持ちはありますよ。でも・・・」
風が少し冷たくなってきた。ミケちゃんの心に風が反応しているのか。
「私は・・・追放された身ですから、アステリオス様には・・・会いづらいですね。」
そういうと少しさびしそうな顔をした。
「ミケちゃん・・・・」



「馬っ鹿じゃねーの?」
「へっ?」
俺の言葉にミケちゃんの目が点になる。
「ミケちゃんは頭がいいけど、そういうところは真面目過ぎるんだよ。」
「え、あ、その、グレンさん
何が何なのか混乱しているミケちゃんに顔を近づけながら
「ミケちゃん、本当は村に帰りたいんじゃないの?長老に会いたいんじゃないの?
 だったら会いに行けばいいじゃん。追放されたとかそんなこと気にしなくていいじゃん。
 もし、長老がミケちゃんのことを悪く言ったら、その時は俺が長老にバックドロップしてやるからさ!w」
そういいながらミケちゃんの前で長老に見立てた座布団にバックドロップしてみせた。
「・・・ぷっ、ハッハッハッハッハッ。」
俺の話と行動を見ていたミケちゃんが笑っている。
「グレンさんは本当に面白い人ですね。そうですね、私は『追放された』ということに囚われていたのかもしれませんね。」
「そうそう、ミケちゃんは真面目だからw」
「ははは・・


そういうと、また夜空を見ながら
「グレンさん、今度また村に帰る時は、私もご一緒してもいいでしょうか。」
「もちろん!一緒に帰って長老のじぃさんにイタズラしよw」
「イタズラはちょっと
風が吹いている。
さっきのような冷たい風ではなく
心地のいい風が吹いていた。

一夜明けて、みんな帰る準備ができたので旅館の前に集合した。
娘さんとDOSANさんの両手には、『ご近所の皆さんに配るため』ということでたくさんのお土産が入った袋を抱えている。
「娘さん、その袋に入っている猫のぬいぐるみもご近所のお土産なの?」
「ふぇ?あぁ、これのことかな?ちがうよネルおねぇちゃん。これは私のお土産なの 可愛いでしょ
そういうと袋から取り出してぎゅ~っとぬいぐるみを抱きしめている。
あふぅ~ん~カワイイ過ぎるじゃないですか娘さん~。俺もぬいぐるみになりたい・・・
「グレンさん、変なこと考えてるようなら、もう一度スタンするよ。」
そう言いながらいつの間にか俺の背後に立っているしふぉんさん。
いや・・もう桶スタンはやめてくださいお願いします・・・
「では、そろそろみなさん帰りましょうか。」
DOSANさんの合図で歩き出すみんな。
っと、ミクちゃんが俺のところに寄ってきて
「グレンさん。あの、少し話があるんだけど・・」
うっ、もしかして昨日の温泉のこと、まだ怒ってるのかな・・・
「は、はい、何でしょうか?
俺とミクちゃんの会話に興味があるのか、自然と俺たち二人の周りに集まりだすみんな。
しふぉんさんにいたってた、どこから出したのか桶を片手に持っている。
「いや、昨日のことなんだけど、事故とはいえ・・その・・ボクの裸を見たってことは変わりないことじゃないですか・・」
「あ、た、確かにそうですね
誤解は解けたはずなのに!?ま、またこの話題を出すんですかミクちゃん!!
「で、ボク、昨日の夜いろいろ考えたんだけど・・」
そう言いながら少し顔を赤くして
「その・・グレンさんには・・やっぱりちゃんと男のケジメをつけてもらわないといけないんじゃないかなって思って・・・」
け、ケジメですと!?何?何をしろと???
「ミクちゃん、男のケジメってまさか・・」
何かを気づいたらしくオロオロするトムさん。
ミクちゃんはというと俺の正面に立って


「グレンさん、ボクと結婚してください。」

・・・・・・・・・・・・
『エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!』
温泉郷に全員の驚きの声が響き渡ったのは言うまでもない。




















補足
ミクちゃんがこんなことを言い出した理由はというと
昨日の夜、女部屋で「裸を見られたら、やっぱり見た男はケジメで結婚しないとねぇ~w」
と酔っぱらったショートさんと、めるさんが原因だったそうです。

そんな話をしないでよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!











あとがき~

いや・・・もう5月ですよ・・・
ホワイトデーなんかとっくに終わってるのに

ってことでやっと完結(?)しましたw
本当はもう少し考えていた場面もあるんですが(ブラフさんやアートさんも出そうかな~とかw)
あまり長くなるとまとまりがつかなくなりそうだったのでこの形で完結することにしました

その6でのミケちゃんとの会話は、今まで読ませてもらったDOSANさんの物語の中のミケちゃんが、私の中では「真面目、頭がいい、でも悩みがあっても表に出さない」というイメージだったので、対照的な性格のグレンと会話したら面白いかな~と思ってやってみました。
(ウーン、しかし、シリアスというかなんというか、私はこういう場面の表現力が乏しいので・・うまくまとめっていればいいのですが

今回の私の話は完結しましたが、また時間があればこういう物語を書いてみたいので、その時はどうか「あぁ、またグレンがわけのわからんもの書き出したな~」と思ってくださいw





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