DOSANの妻、という人。 第23話




■ 父のコメント ■

2006年3月22日に、隊員専用BBSへと投稿しましたお話です。

この物語で登場する殺人鬼は、初期の頃に多く存在したと思われる

いわゆる「演技派PK」として描いています。

敵対関係にあるエルフだけを狙うダークエルフのPK。

ヒューマンに裏切られたエルフとして、ヒューマンだけを狙うエルフのPK。

今も実在するかは不明ですが、そのような存在として描いています。



実際、クロニクル2や3だった時代には、テオンサーバにもそのような

「PKとしての役柄(悪役)」を楽しんでいる人は多くいたように思います。

10代の頃に私も多くのPKと出会いましたが、シャウトで自らの存在を知らせたり

悪役らしいセリフマクロにて場を盛り上げるなど、彼らなりの流儀を守って

楽しんでいたのだろうなと、今では思います。



しかし、どんなに魅力的な悪役であっても被害者は出てしまいますので、

DOSAN家ではPKを必要悪として認めている訳ではありません。

ただ、今のPKは圧倒的な力でプレイヤーを瞬殺し、無言のまま去っていきます。

ただの嫌がらせとしか思えない妨害をしてくることもありますし、危険な状況に

なると祝福された帰還スクロールにて瞬時に逃げてしまうことも多いようです。



彼らは何が楽しいのだろう?

PKされ冷たい床に倒れている時に、そのような出るはずのない答えを探しながら・・・

ふと昔の悪役を思い出しては比較してしまう自分がいることに気付くことがあります。

複雑と言いますか、何とも寂しい気持ちになるのですよね・・・。




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自分が殺されるというのに無抵抗な彼女を「普通じゃない」と気味悪がる殺人鬼。

彼女の必死の説得には応じなかった人殺しでしたが、

説得を諦めた彼女の姿勢に何か感じるものがあったようです。



「人を殺さなければ生き残れないのなら、自分が死ぬ方を選択する」



彼女は瀕死の状態でそう言ってのけます。

今まで自分が殺してきた人間とは、根本的に何か違う・・・。

言いようのない違和感を感じながら、人殺しらしからぬ疑問を口にしてしまいます。



「お前の命は、そんなに簡単なものなのか?」



「覚悟はできているから、殺すなら殺しなさい」



・・・立場的には圧倒的に有利なはず。

しかし、何故か追い詰められたように感じているようです。


第24話に続きます。

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~DOSANの娘の、つぶやき。~


簡単な命なんて、ないよぉ。


命は命だもん。

重いとか軽いとか

大事とか大事じゃないとか

そんなのないって、お父さん言ってたもん・・・


お母さんも、それからこのこわいエルフさんも。

みんなで仲良くできるようになればいいのになぁ・・・






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